【大紀元日本9月16日】東京都の浅草寺近くにある花戸川公園で8日午前、中国人観光客が法輪功学習者に暴力を振るう事件が起きた。現場には約20人の警官が駆けつけた。共産党から弾圧を受ける法輪功は、日本を含む外国でも、在外華人や中国人旅行者などから暴力や嫌がらせの被害が報告されている。
浅草寺には観光のため中国人観光客を乗せたツアーバスがよく訪れる。ここでは在日の法輪功学習者らが、中国国内では禁止されている法輪功の真実と迫害の実態を説明するチラシを観光客や通行人に配布している。
当時、現場には王さん(30代女性)と李さん(30代男性)の2人が法輪功の迫害を伝える活動をしていた。8日午前9時ごろ、パネルを掲げた王さんが到着したツアーバスの近くに立っていると、観光客の中から一人の中年男性が突然飛び出し、王さんの胸部を猛打した。王さんの悲鳴を聞き、李さんはすぐさま警察に通報した。中年男性が逃げようとしたため、一時もみ合いになったという。
大紀元の取材に答えた李さんによると、男性乗客や男性ツアーガイドから「中国なら俺はこの場でお前を絞め殺す」「俺は新華社の人間だぞ」などと脅迫されたという。また在日中国人とみられる女性ツアーガイドは、自らが被害者を装うため李さんの腕をつかみ自分の胸に当て、中国人観光客に撮影させた。
この女性ツアーガイドは「お前が私を殴ったと警察に話す。ここにいる数十人の中国人は全員証人になる」「法輪功は『忍』を重んじるではないか、なぜ我慢しない」と大声でわめくなどしたという。現場には20人近くの警官が駆けつける騒動に発展した。
このたびの事件において、警官らは被害を受けたのは法輪功だとみなし、中年男性に警察署での事情聴取を求めた。結果、騒動の複雑化を恐れた男は王さんに謝罪し、双方は和解した。
専門家の説明では、今回の中国人観光客らの行為は日本では侮辱罪に当たり、拘留または罰金刑を科せられる。
事件後、王さんは大紀元の取材に対して「一行の言動はあまりにも卑劣、改心を願う」と心情を語った。
外国でも暴力や嫌がらせを受ける法輪功
中国大陸で不当な拘禁や拷問を受ける法輪功学習者だが、外国でも暴力事件に巻き込まれている。今年8月には香港繁華街・モンコックで迫害を伝える資料を配布中、中国共産党の関係者から暴力を受けた。犯人には執行猶予付き禁固刑が下っている。
2008年には米ニューヨークのフラッシング地区で中国人の集団が法輪功学習者を取り囲み、罵声を浴びせ暴行した。大紀元は、周辺で金銭を在米華人に渡して攻撃的な行為に参加するよう催促する不審な人物について報じた。地元警察は集団の数人を連行した。
中国共産党政権は法輪功に対して膨大な額を投じネガティブ・キャンペーンを行った。一部の市民たちは「精神異常者」の印象を払拭できず、いまだ法輪功を敵対視している。また外国で起こる騒動には、組織的な行為であった場合、共産党組織の指示があった可能性も指摘されている。
世界中でおよそ1億人の学習者を数えた中国の伝統気功・法輪功は1999年7月、当時の江沢民国家主席に非合法化され、以後15年もの間、弾圧を受けている。日本を含め、法輪功は中国内外で迫害状況を伝え続けている。