【大紀元日本9月11日】8月7日に刑期終了で釈放された中国の人権派弁護士高智晟氏はいま自宅に軟禁されている。9日、米国在住のその妻耿和さんはワシントンDCのナショナル記者クラブで会見を開き、その近況を明らかにし、健康状態悪化の夫が米国で治療を受けられるよう、国際社会と米国政府による支援をよびかけた。
耿和さんと2人の子供は5年前に米国政府に難民として保護され、いまサンフランシスコに在住しており、高氏は出所後、新疆ウイグル自治区の親戚の家に身を寄せている。
今回の会見で耿和さんは夫の近況を明らかにした。
それによると、入所前より15キロほど痩せた同氏はいま、12本の歯は抜ける寸前で、常時痛みに襲われ、離乳食のような食事しか摂取できない。また、断片的な言葉しか発せず言語・思考能力が著しく低下しているほか、直線歩行もできない。一方、自宅では、監視要員が毎日昼間およそ6時間居座っているという。
執行猶予期間中には行方不明を繰り返し、計6回秘密裏に拘禁された高氏は2007年7月、受けた拷問の実態を「黒夜、黒頭套、黒幇綁架(和訳:真っ黒な夜、 真っ黒な目隠し、暗黒勢力による拉致)」と題する手記にまとめインターネットで公開した。
今回の記者会見で耿和さんが明かした最新情報によれば、その直後に再び拘禁された同氏は、20カ月間にわたり軍部の地下室に収容され、それまで以上の拷問を受けた。
「夫が耐えてきた苦痛を想像するだけで、五臓六腑が引き裂かれる思いだ」と彼女は必死に感情を抑えながら語った。
夫の渡米治療を願う耿和さんはオバマ政権に対して、中国政府に働きかけ、夫の出国を支援するよう要請している。
キリスト教信者である高氏は中国の人権派弁護士であり、社会の弱者層に無料弁護を提供するなどで有名になった。2004年から複数回にわたり、最高指導部に伝統気功・法輪功への弾圧の違法性とその中止を求める公開嘆願書を提出した同氏は2006年末、「国家政権転覆扇動罪」で懲役3年執行猶予5年の判決を受けた。
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