【大紀元日本8月18日】中国は、国際海路の要衝とされるパナマ運河の新レーン建設に参加する意向を示している。同運河に対抗して中国主導の巨額建設計画であるニカラグア新運河も今年末に着工する予定で、中国の海洋戦略の圧力の強まりが懸念されている。
パナマ運河の管理代表で同国政府運河庁長官ホルヘ・キハーノ(Jorge L. Quijano)氏は最近、中国港湾工程有限公司(CHEC)会長の莫文賀氏と中国パナマ商業開発当局の代表らと話し合った。運河や港湾建設を専門とするCHECは中国最大級の国有企業の一つ。80カ国で計1兆円規模の事業を展開し、現在、地域本部をパナマへ移転している。
莫会長は「設計、建設、資金調達においてすべての運河計画の参加を模索している」と同社公式ホームページで発表した。
100年の歴史を持つパナマ運河は現在2レーンがかけられているが、通航量の増大や船舶の大型化を受けて、現存のレーンの拡張工事や第3レーンの建設が進められている。
第3レーンの完成は2015年12月だが、それを待たずして中国は第4レーンの建設構想に動いている。すでにパナマ政府と交渉を行っていると伝えられている。
中国はニカラグアに、建設費約3兆7600億円で278キロメートルもの世界最長運河の建設計画も進んでいる。同国オルテガ政権は2013年、新運河の建設・運営計画を中国側に認めることを発表している。パナマ運河第4レーン建設計画に加え、大西洋と太平洋を結ぶ要衝に、中国の政治的影響力が強まることは避けられない。
今年6月、キハーノ運河庁長官は流通情報ニュースJOCの取材に対して「財政的に第4レーン建設は困難だ」と答えているが、CHECとの話し合いは「有益な会議だった」と述べている。
(翻訳編集・佐渡 道世)
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