【大紀元日本5月23日】中国では社会の認識不足や倫理感の遅れから、障害者が一般教育を受けられず差別扱いされているのが現状だ。最近、ようやく全国大学入試共通試験「高考(ガオカオ)」が点字などの他の受験手段を取り入れたことで、「前進した」と国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は評価した。
しかしながら子供たちへの教育環境は依然として改善していない。米国の教育関連情報紙クロニクル・ハイヤーエデュケーションのララ・ファーラー記者は、北京で取材した全盲の少年について同紙に状況を報告した。
「マイク(13)は才能に溢れている。全盲の彼は耳だけを頼りにピアノを演奏し、イタリアオペラを歌う。しかし、障害があるので、大学どころか高校に入ることさえ難しい」
同記者によると現在、普通の中学校に通うマイクは特別支援のある授業を受けられず、自分の力のみで理解して勉強をしている。定期試験では、片目に残されたわずかな視力を頼りにテスト用紙の内容を読んでいるという。障害があるという理由でマイクには、成績が付けられず進学の道は閉ざされている。
HRW香港支部のマヤ・ワング氏は「教育差別は氷山の一角。障害を持つ多くの子供はもっと下層レベルの差別に遭っている」と述べている。2014年2月、中国広東省広州市に設置された「赤ちゃんポスト」には、13日間で51人もの子供が保護されたことで話題を呼んだ。ほぼ全員が重篤な疾患・障害を患っていたという。
米国人で中国内陸部の孤児院で働いた経験を持つナオミ・カーウィン氏はBBCの取材に対して「政府の孤児院で健常な子供に会ったことがない。脊椎披裂、心臓疾患、口蓋裂の子供を多く見た」と述べている。
(翻訳編集・佐渡 道世)