【大紀元日本4月23日】社会主義で無神論を掲げる中国。しかし、必ずしも国民たちの信仰が「共産党」に向いているわけではない。専門家によると、中国は今後15年内にキリスト教信者の総人口が米国、メキシコ、ブラジルを抜き世界最多になると推測されている。英テレグラフが報じた。
このたびの復活祭(イースター)には、浙江省温州の柳市にある新しい大型教会に何千人ものキリスト教徒が祈りを捧げに訪れた。ある女性信者は「中国の誰もがイエスを信じるならば警察は要らない。悪人もいなくなり、犯罪もなくなる」と信仰心を同紙に語った。
1976年に当時の毛沢東主席が死亡し文化大革命が終わると、キリスト教の布教に勢いが付く。その流れは「世界最大のキリスト教国家」に中国を押し上げると分析する専門家も少なくない。
「推計では、中国は間もなく世界最大のキリスト教の国になる」とパデュー大学社会学教授・楊鳳岡氏は分析する。信仰の急速な広まりについて「多くの人々はただ気づいていないだけ」と付け加えた。
英調査会社ピュー・リサーチセンターによると、1949年には100万人だった中国のプロテスタントの数は、2010年には5800万人に達した。この次点でブラジル(4000万人)と南アフリカ(3600万人)を凌いでいる。
楊氏は2025年には1億6000万人に達し、アメリカを抜いて世界最多のキリスト教徒を抱える国になると予測する。またキリスト教全体の教徒数は2030年には2億4700万人に膨らむという。
「毛沢東は宗教を排斥することが出来ると考え、排除を達成したと考えていた。しかし皮肉なことに毛は完全に失敗した」と楊氏は同紙に述べている。
「信じる」自由はない中国
中国では政府が認可した宗教機関、施設でなければ礼拝などの活動を行うことが許されない。ピュー・リサーチセンターの2010年の調査によると、共産党が認めない中国国内のキリスト教徒は約3500万人いるという。
宗教に対する当局の取り締まりは続く。浙江省温州は中国最大のキリスト教徒コミュニティを抱え、700万人の都市人口のうち15%が地元の教会に通うという。4月初め、温州の永嘉県にある三江教会は強制取り壊しの危機に瀕した。その際、何千ものキリスト教徒たちが集まり、自らの体を盾に解体を止めたという。
解体に反対するキリスト教徒達が体を張って教会を守る (ネット写真)
冒頭の柳市にある大型教会は2013年1月に新設された。しかし講演台には監視カメラが設置され、その説教内容は当局により検閲される。ある地下教会信者は「(当局は)牧師が共産党を支持する方向性で説教するよう圧力をかけている」と述べる。また「キリスト教徒の数は増大している。しかしながら当局は信者と『戦う』ことはできない。7000万人の信者たちを『敵』に回したくないからだ」と加えた。
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