【大紀元日本4月9日】中国を訪問しているヘーゲル米国防長官は8日の記者会見で、中国が強行した防空識別圏設定を批判し、さらに、日本と中国が対立する場合は日本を保護する立場を明確にした。これに対し、中国軍高官は「率直に言って不満だ」と批判した。
ヘーゲル氏は8日、中国の常万全・国防相と北京市内で会談した後、共同で記者会見をした。中国が東シナ海に設定した防空識別圏について、ヘーゲル氏は「事前の協力、協議なしに一方的に強行する権利は、中国にはない」と批判し、「結果的に危険な紛争につながる」との懸念を示した。さらに、日本とフィリピンの国名を挙げ、「米国の長期にわたった同盟国である」ことを強調し、「防衛義務を完全に果たす」と同盟国を保護する立場を明確にした。
一方、常国防相は「領土主権は核心的利益だ」と繰り返し、「一寸の侵犯も許さない」と反論。そのためには「武力を使用する準備はできている」とヘーゲル氏の発言に対抗した。
ヘーゲル氏は同日、中国共産党中央軍事委員会副主席の范長竜氏とも会談した。范氏はヘーゲル氏の発言に言及し、「率直に言って、私も含めて中国人民は不満だ」と批判した。「公に日本を擁護し、フィリピンをかばい、中国を咎める」というヘーゲル氏の言動は米政府の立場とも一致しないと范氏は強調した。
(翻訳編集・張凛音)