江沢民氏ら国際手配要請 法輪功迫害でも起訴される

2014/02/13
更新: 2014/02/13

【大紀元日本2月13日】スペインの全国管区裁判所は10日、チベット人に対するジェノサイド(集団虐殺罪)、拷問の罪、反人類の罪の容疑で、中国の江沢民元国家主席や李鵬元首相ら5人への国際逮捕状を発行し、国際手配するよう国際刑事警察機構(ICPO)に要請した。

裁判は同国の法律「普遍的正義の原則」に基づき、人道に対する罪は発生国で追及されない場合、スペインの裁判所に管轄権があると定められている。

逮捕状を発行したのは同裁判所のイスマエル・モレノ裁判官。裁判所の通知書の記載では、被告らの罪が成立すれば、最短20年の禁固刑を言い渡される。ICPOが要請を受けて国際逮捕手配書を出せば、中国を含む加盟国は容疑者引き渡しのため、身柄拘束への協力を求められる。

原告の一人テゥブテン・ワンチェン(ThubtenWangchen、60)氏はチベット人で、5歳で家族とともにチベットを脱出した。後にスペイン国籍を取得した同氏は2006年、他の2つのチベット人権団体とともに、今回の訴訟を起こした。

CNNは逮捕状の写しを入手したという。10日付の報道では「元高官らは中国で捕らわれることはないだろうが、出国すれば逮捕される可能性がある」とした。原告の人権団体の代表は「関係国とその道徳基準に委ねられる」と述べ、「様々な困難を乗り越えた後、正義はやっと訪れた」とスペイン裁判所の判断を歓迎するとともに、各国の協力を呼びかけた。

中国外交部の華春瑩報道官は11日の定例記者会見で、「強い不満と断固たる反対の意」を表し、「スペイン側に適切な対応を求める」と抗議した。だが、この発言は外交部記者会見の質疑応答の一覧に記載されていない。

江沢民らが起訴されたのは今回がはじめてではない。執政中の1999年に発動した法輪功弾圧の罪も追及されている。

各国の法輪功学習者は世界30の都市や地域で、弾圧を主導したとして、江沢民を筆頭に当局の高官30人を告訴した。

こうした状況の中で、2009年11月、スペインでは、法輪功に対するジェノサイドと拷問の罪で、江沢民のほか、羅幹、薄煕来、賈慶林と呉官正ら5人の元高官が起訴された。

同年12月17日、アルゼンチン連邦裁判所第九法廷のラマードリッド裁判官は4年間の調査を経て、法輪功に対するジェノサイドと拷問罪の容疑で江沢民と羅幹に国際逮捕状を発行した。当時、中国外交部の報道官は「両国の関係に影響する」と抗議していた。

中国はスペイン国債の大量保有国。今回の国際逮捕状の発行にあたって、中国政府の圧力を恐れるスペイン政権与党は、国外事件の告発者を直接の被害者と検察に限るという法改正案を提出するなど、「逮捕状撤回のための法改正」という動きも出ている。

(翻訳編集・叶子)