【大紀元日本2月12日】中国国営新華通信社傘下の新華網は2月8日に、不動産バブル崩壊に関する「上海証券報」の記事を引用し、非常に危険になっている中国経済の現状への懸念と崩壊する日が迫っていることの緊迫さを示した。国営メディアで不動産バブルの崩壊を示唆したのは非常に異例だ。
新華網は「住宅価格暴落のタイムテーブル:専門家は中国不動産バブル崩壊が今年から来年の2年の間に起きると示した」と題する「上海証券報」の記事を掲載した。同記事では、このほど住宅建設部の仇保興・副部長が「中国が不動産バブルの崩壊までまだ少しの時間が残されているため、(政策の)微調整で崩壊を回避できる可能性がある」との発言に対して、「住宅価格が上昇するか下落するか。どれも中国経済と中国社会に災難となる打撃を与えるだろう。不動産バブルは中国経済を進退極まる境地まで追い込んだ」との見解を示した。
また同記事は、現在中央政府ができることは微調整で1、2線都市の高い住宅価格を安定させることと、国民の収入分配体制を改革し国民の収入と購買力を高めることで、これによって不動産バブルをソフトランディングさせることができると主張した。さらに、中国が二の舞を踏まないように反省し警戒しなければならないと示した。
国内著名経済学者の茅于軾氏は本紙の取材に対して、住宅建設部の仇保興・副部長の発言について「バブルは必ず崩壊し、住宅価格は必ず下落するだろう」と否定的な見解を示した。また「上海証券報」の記事で言及した2つの方法でバブル崩壊をソフトランディングさせることができるとの提案について、茅氏は「可能性はあるが、しかし8年、10年はかかるし、すぐには効果が出ない」と指摘した。
経済評論家の謝国忠氏は昨年12月18日、ニュースサイト「財新網」が主催した経済フォーラムにおいて、「中国の不動産バブルは史上最大だ。政府当局が昔の{大躍進政策}のように大いに不動産ビジネスを行っている」と批判し、中国地方政府が持つ債務のほとんどは不動産絡みだと示した。謝氏は不動産バブルが弾ければ、まず銀行業が深刻な打撃を受けるのは避けられないとし、「政府指導者たちもバブル崩壊後の連鎖反応がよくわかっているため、この問題を絶えず隠してきた。だから問題がますます深刻化している」と話した。
一方、不動産市場調査機構の中国指数研究院がこのほど発表した統計によると、北京、上海などの主要都市を含む全国43の都市のうちの37の都市で1月の住宅成約件数が前月比で減少したという。その中でも、最大下落幅となった安徽省蚌埠(ほうふ)市は前月比で56.78%減少した。大連は53.11%で、深センは44.4%、北京は36.8%、上海は30.65%と減少した。
特に北京市の新築住宅物件と中古物件の成約件数は前年同期比では50%も激減した。北京市住宅建設委員会によると、1月同市の新築住宅のオンライン契約の成約件数が前年同期比で53.9%減少し、中古住宅成約件数も前年同期比で55.2%減となった。北京の中古住宅成約件数は2ヶ月連続で減少している。また深セン市の1月新築住宅は70.4%、中古住宅の成約件数は42.98%と前年同期比でそれぞれ減少した。
住宅成約件数の減少は1月末の旧正月で市場取引の低迷と関係するが、しかし昨年年末に起きた銀行業界の資金緊迫も主因となった。資金緊迫で一部の銀行は住宅ローンの融資を一時停止し、また一部の銀行では住宅ローン融資の審査批准期日を無期限延期にしたと報じられている。
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