【大紀元日本2月5日】500万豪ドル(約4億5千万円)の投資を行った申請者に発給するオーストラリアの上級投資者ビザの申請者の9割が中国人であることが分かった。香港紙サウス・モーニング・ポスト(英語版)が4日に報じた。
それによると、すでに65人の中国人富豪が同ビザを取得し、現在申請中の545人のうち、91%は中国人であるという。2012年11月に実施された同ビザは申請者に4年間の居住権を与えられる。年間700件ずつ発行すると政府が発表し、投資額が少なくとも35億ドルになると予想されている。実施以来、中国からの移民ですでに22億香港ドルの投資が行われた。
番号が「188」である同ビザの居住期間が満了後、永住ビザ「888」が与えられる。どちらも中国人にとって縁起の良い「8」が連続していることから、これらのビザが中国人富豪を誘致するためのものだとの見方もある。
中国の民間調査機関・胡潤百富が1月に発表した調査報告によると、資産が1000万元(約1億7000万円)以上の富裕層の移民率は64%と前年度より4%上昇したことが分かった。さらに、「資産が1億元(約17億円)以上の富裕層の3分の1がすでに移民をした」という。富裕層の移民ブームは加速している。
現在の政治体制から最も恩恵を受けた中国人富豪が移民を選んだ主な理由として「子どもに良い教育を与えるため」、「環境汚染から逃げるため」、「汚職で得た財産を保全するため」とされている。現在、中国人の富は海外資産として6580億ドルがあると言われている。
また、人気の移民先としてアメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどが挙げられている。中国人富豪の移民ブームで、これらの国の不動産価格が押し上げられ、市民から不満の声が上がっている。過去12ヶ月で、オーストラリアのシドニーは10%、メルボルンは6%と不動産価格がそれぞれ値上がりした。中国人が購入したロンドンの高額物件の割合は2012年の2.2%から2013年の4.2%まで増加した。