【大紀元日本1月25日】 広東省の人気紙「南方都市報」は23日、省内の農地汚染の事例を取り上げて、深刻な現状を伝えた。
人口約3、000人の韶関市翁源県上はい(土に貝)村では、ここ18年間、250人以上がガンで亡くなり、ガンの発症及び死亡率は全国平均の90倍だという。
村の水源である河の上流に位置する炭鉱の廃水が、ガンを誘発した主要な原因だと村民たちは主張している。この大宝山鉱区は40数年前から操業している。ある村民は「70年代末には、河の魚が大量に死んでいった」と証言した。
華南農業大学の芦維盛教授のチームは調査を行い、「村の農地は長期にわたり炭鉱の廃水に汚染され、カドミウム、鉄、銅などの重金属のほか、硫黄も大量に検出された」と報告した。
同市仁化県董塘鎮の4つの村では2012年年初、160人の児童の血液から高濃度の鉛を検出した。村民たちは付近の精錬工場が災いの元と口を揃えている。「稲も野菜も育たず、枯れてしまうからだ」。隣接する凡口山炭鉱の周辺地区も重金属汚染地域と認定された。
同省清遠市佛岡県の水頭鎮周辺の約200ヘクタールの農地は汚染されている。中山大学の2010年の調査結果によれば、同鎮の炭鉱周辺の水田で栽培した稲から、それぞれ安全基準の100%を超えるカドミウムと、71%を超える鉛を検出した。村民は「十数年前では河から魚が獲れていたが、いまはヒルすら生息していない」と語り、自家製の油も米も食べないという。村長は、「十数年前に約110ヘクタールの水田があったが、いまや100分の1の面積しか栽培できない」と話している。
広東省国土資源庁の2013年の発表によると、珠江デルタの22.8%の土壌のカドミウム、水銀、ヒ素、フッ素は安全基準を大きく超えている。
農地の汚染は広東省にとどまらない。2013年12月30日、国土資源部の王世元・副部長(次官)は記者会見で、全国で5000万ムー(約330万ヘクタール)の農地が汚染により耕作不能になったことを明らかにした。