中国、ビザで圧力か NYタイムズとブルームバーグの記者全員を締め出す

2013/12/09
更新: 2013/12/09

【大紀元日本12月9日】米紙ニューヨーク・タイムズや米通信社ブルームバーグの中国駐在記者全員がビザを更新できなかったため、近いうちに中国から締め出されることになる。2社ともに中国指導者のスキャンダルを報道していた。

中国では外国メディアの記者は毎年年末、取材許可証とビザの更新が義務付けられている。

英紙デイリー・テレグラフの5日の報道は、ブルームバーグの関係者の話として、外国記者全員が取材許可証を更新できなかったことから、ビザの更新が事実上、不可能となったと報じた。ニューヨーク・タイムズへの取材許可証の交付も11月上旬を最後に止まったという。

現状のままでは、両紙の外国人記者計24人全員が中国から追い出されることになる。

個別の外国人記者へのビザ却下はあったが、特定の外国メディアの記者全員が対象になったのは初めてだという。

デイリー・テレグラフによると、訪中の米バイデン副大統領は5日、記者らと面会し、両国間に「大きな見解の隔たり」と中国における報道の自由の問題への懸念を示した。

バイデン副大統領のこの発言について、中国外務省の洪磊報道官は定例会見で、法律に沿って外国人記者に対応していると主張した。

ニューヨーク・タイムズは昨年10月下旬、温家宝前首相一族の巨額資産を暴露する報道を出し、大きな反響をよんだ。

一方、ブルームバーグは昨年、「習近平主席一族が数億ドルを不正蓄財」と報道した。一部情報では、今年11月にも、習氏絡みのスキャンダル報道を出す予定だったが、直前に取り下げたという。

これらのスキャンダル情報は、習近平政権と権力闘争を繰り広げる江沢民一派が裏で意図的に流したとの説が根強い。

(翻訳編集・叶子)