【大紀元日本11月27日】米戦略爆撃機B52の2機が26日、中国当局に事前通報なしに、東シナ海の尖閣諸島(中国名、釣魚島)周辺上空を飛行したことが明らかになった。同上空は中国が防空識別圏を設定したと発表したばかりで、米軍機による飛行は、事態を重大視する米政府の立場を表明したとともに、日米同盟を守る姿勢を明確にしたと米国の海外向け放送ボイス・オブ・アメリカ(VOA)は専門家の分析を伝えた。
ワシントンD.Cに拠点を置くシンクタンク・新アメリカ安全保障センターのリチャード・カプラン氏は、米軍機の飛行は、ワシントンが東シナ海情勢の悪化に対する深刻な懸念を表したと分析した。「日本を守る決心を示すために具体的な行動を取らざるをえないほど、ペンタゴンとホワイトハウスは、中国の発表を重大な事態と認識している」
元米国務省政策企画本部長のアン・マリー・スローター氏は、米軍機の飛行は中国政府に対し警告を発したと同時に、日本政府に対しても「アメリカがいるから、日本は状況を悪化させるような行動を起こさないよう」とのメッセージを送っていると分析した。
今回の識別圏設定の動きは、中国が東シナ海の現状を徐々に変化させようとする長期的な戦略の一環として見られている。しかし、設定は日本や米国のみならず、韓国や台湾、南シナ海で中国と領有権争いしている国々の怒りをも買っており、行き過ぎた行動との見方が大勢。米有力紙ワシントン・ポストは25日の社説で、中国の設定は「軽率だ」と批判し、中国の指導者らが標榜してきた「平和的台頭」と大きくかけ離れる行為だと非難した。「一方的に空域管轄権を奪おうとすることは、平和に繋がるまともな道ではないことを中国政府は知っておくべきだ」と強くけん制した。
米軍機の飛行を報じた中国のポータルサイト「網易」に寄せられたコメントは、中国政府を揶揄するものがほとんど。「困ったもんだ。引込みがつかなくなったね、上げた拳をどう下ろすかだ」「(報道官が)リピートボタンを押すのを待てばいい。『厳重に抗議する』ってね」「できないことは強気で言わないほうがいい。恥ずかしい」。27日深夜の掲載から12時間、28万人がコメント欄に参加し、同サイトで最もコメントが寄せられた記事になっている。
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