【大紀元日本9月27日】中国は重度な水不足に直面している。この危機をもたらしたのは、中国政府が主張している「気候の変化」よりも、「数十年来、無謀無策な工業化と大型の水利建設」であるとロイター通信は23日の報道で指摘した。
中国当局が8月に発表した水資源の全国調査データーによれば、1990年代から、記録のある河川のうち、2万8千本が枯渇して完全に消え、現存しているのは2万3千本弱。中国気象局の発表では、黄河を含む主要な大河はすべて、70年代から縮小しつづけている。
水資源の喪失について、当局は「地球温暖化が主な原因」としているだが、ロイター通信の報道は南京大学環境問題専門家の鄒磊氏の話を引用し 「気候の変化は原因の一つに過ぎない」と反論。「中国の重度の水資源不足は、大規模な都市化建設、ずさんな水資源管理による結果」と当局の逃れない責任を示唆した。
米国在住の環境生態問題専門家・武業鋼氏もこの見解に同調している。氏は「(従来から水資源が乏しい)中国の西部地域で進められている大開発により、水はガソリンよりも貴重。東部地域の水資源は比較的豊富だったが、黄河、長江、珠江などの大河の水汚染が非常に深刻であるため、飲用水どころか、農業と工業用水にも使えない。それに加えて、森林の破壊、湿地と湖の消失により、水資源の補充も追いつかない」と中国の水資源の深刻な状況を説明した。
さらに、中国の水利建設は排水を重視しているが、貯水の役割は十分に考慮していないため、「せっかくの水資源も無駄になってしまう」と武氏は指摘した。
(翻訳編集・叶子)
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