【大紀元日本7月31日】福建省ショウ(さんずいに「章」)州市の古雷半島にあるパラキシレン(PX)工場で30日早朝、爆発事故が起きた。死傷者は出ていないと当局は発表しているが、インターネット上では疑問視する声が出ている。古雷パラキシレン工場は、同省アモイ市での建設が市民に反対されたため、移転されたものだった。
国営新華社通信によると、30日午前4時35分(日本時間5時35分)、同工場で未稼働のパイプに水素を注入し耐圧テストを行ったところ、溶接の継ぎ目が破裂し火が出た。現地当局は、火はすぐに消し止められ、死傷者は出ていないと発表している。設備には大きな損傷はなく、有害物質の外部流出も起きていないという。
一方、ネットユーザーらが投稿した情報によると、火は大きな爆音と振動とともに激しく燃え上がり、炎は40~50メートルも上がったという。ユーザー「什マ概念kimi」は「うちはこんなに離れているのに、窓ガラスは全部割れて、鉄の扉さえも凹んだ。死傷者はいないんだって?機械を操作する人もいなかったとでも言うのか?嘘っぱちだ」と疑念を示した。ユーザー「許多々的幸福生活」も「付近の住民の話では、非常に嫌な匂いがするらしい」と微博(ミニブログ)に情報提供している。
ユーザー「麗君ラ」は「現地の人は、死者がいると言っている」と書き込み、ユーザー「王普」は「警察から聞いた話だけど、車一台分の負傷者が移送されたみたい」と、当局の死傷者なしの発表に疑問を投げかけた。
パラキシレンは石油精製の過程で製造される中間物質で、中国では「有毒物質」としての認知度が高い。今回の事故が起きた工場は、2007年に同省アモイ市での建設が住民に反対されたため、移転されてきたものだった。工場は年内の本格稼働を目指し、今年6月から試運転に入ったばかりだ。
はからずも、人民日報は爆発事故のあった30日に、「PX産業、発展してはならないのか?」と題する論評を発表した。「パラキシレン工場は安全性が高く、世界で数十年間操業されてきたものの、大きな事故は起きていない」と力説するこの文章は、同日の事故で白けた。
パラキシレン工場建設をめぐって、中国ではこれまで、アモイ市のほか、浙江省寧波市や雲南省昆明市、遼寧省大連市などでも抗議デモが起きていた。
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