米国人経営者、北京で従業員に軟禁される 労使関係をめぐって

2013/06/27
更新: 2013/06/27

【大紀元日本6月27日】北京郊外にある医療用品の米国企業の経営者は、人事異動や賃金をめぐるトラブルが原因で、今月21日から工場内で従業員らに軟禁状態にされている。米VOAなどが伝えた。

軟禁されているのは、北京市懐柔区にある医療器具メーカー、スペシャリティ・メディカル・サプライズ社の米国人経営者のチップ・スターンズ氏。21日から、約100人の従業員が昼夜を問わず、工場のすべての出入り口を封鎖。「(敷地内の)どこへ行っても十数人が付いてくる」「眠ろうとすれば、窓が叩かれ、ライトが照らされる」などの嫌がらせを受けているとスターンズ氏は証言した。

事の発端は、工場の一部門がインドに拠点を移したため、約30人の従業員が解雇されたことだ。ほかの部門の従業員もいずれ解雇されるとの噂が立ったうえ、解雇された元従業員らは「かなり手厚い」手当が支払われたことで、解雇されていない約100人の従業員も同様な手当を要求し始めた。

一方、地元メディア・新京報は従業員側の主張として、スターンズ氏を軟禁したものではなく、「ただ、未払い賃金とそれに対する補償を求めているだけだ」と伝えた。

これに対して、スターンズ氏は「未払いの賃金はない」と否定。地元当局者は調停に来たものの、従業員らの要求に沿った内容の書類にサインを強要しただけだったという。

スターンズ氏は25日、窓に鉄の柵の付いたオフィスからAP通信の取材を受けた。「取り囲まれた動物のようだ」と自身の状況を話し、「10年間にわたって、私はこの地域で多くの就職口を提供してきた。こんなことが起きるとは」と落胆していた。

26日現在もスターンズ氏は工場内で取材や弁護士との面会に応じることはできるが、工場敷地からはまだ脱出できていない。

(翻訳編集・張凛音)