【大紀元日本3月18日】中国の国会に当たる「両会」の閉幕し、習近平・李克強体制が確立した。舵取り役の習氏は、共産党史上、毛沢東と華国鋒に次いで最初から党・政・軍の権力を手にした三人目の指導者となった。一方、内政や外交において難題が山積しており、この難関を乗り越えられるか否かが注目される。
大気汚染や水汚染などの環境汚染から野菜、肉、ミルクなどに含まれた有害物質まで、中国人は有害物質に包囲されている状態だ。しかもその影響は国内に留まらず、地球全体に及んでいる。長年にわたって次第に破壊されてきた環境の根本的改善と回復はGDP至上主義からの軸足の転換が求められ、食品安全問題には貧困や格差、モラルの低下など多くの社会問題が絡み、解決するには長い年月が必要とする。独裁的で自らもモラルの持たない共産党政権にはもはや不可能なことだ。
官僚腐敗や汚職はすでに日常化、普遍化、長期化している。腐敗是正という一時的運動をもって、60数年間に形成されてきた悪習を一掃できるとは考えられない。もし法律に基づいて徹底的に取り締まれば、官僚がほぼ全滅し、独裁政権の崩壊になりかねない。適時、適度、適切にやるしかなく、綱渡りのようなテクニックが必要だ。
経済成長や社会の激動そして国際情勢の変化に伴って、国民の民主自由意識と要望も日増しに高まっている。共産党は、自由民主主義の「邪道」を歩まないと宣言したが、民意を完全に無視することはできない。これも政権にとって手を焼く問題だ。
共産党は、社会主義国家の人々は平等・公平と主張しているが、現実は、地域、職種、階級等による収入の格差や身分の格差などは世界で最も大きい。孔子は「国を有(たも)ち家を有つ者は寡(すく)なきを患(うれ)えずして均(ひと)しからざるを患え、貧しきを患えずして安からざるを患う」と諭しているが、共産党政権はこの「均しからざる」格差問題を今後どう解決し、民の患えをどう解消するだろうか。既得利益集団つまり中国を現に支配している権力者たちは、自己の権利を庶民と分かち合い、自ら進んで平等や公平を推進するなどは、断じて不可能だ。
昨年2月、重慶市元公安局長・王立軍の米総領事館亡命事件が発生した。これにより薄煕来、周永康、江沢民らが次期指導者の習近平を倒す政変計画も暴かれた。胡錦濤や温家宝らの有力な支持により、習氏は18大と「両会」において、江沢民の勢力を弱めつつ牽制することもできた。しかし、政治局や常務委員会における江沢民の勢力はなお大きく、未だに機を見て巻き返しを狙っている。如何なる罪名で薄煕来を裁くかも含め、その舵取りを少しでも誤れば、指導部の大分裂または船の転覆に至らしめかねないのだ。
そして、関連の真相がすでに明らかになり、国内外からの圧力が日に日に増大している中、人類史上で最も残酷で最大級の迫害とされる法輪功弾圧もいよいよ続けられなくなっている。多くの社会問題の解決に「法治」が不可欠となり、その中で無実な庶民に対する弾圧の違法性もますます認識されるようになる。だが、弾圧を中止すれば、江沢民勢力からの猛反撃を招くのは言うまでもなく、共産党の名誉で弾圧し続けてきただけに、共産党の崩壊ももたらしかねない。さらに、弾圧の凄惨さが一旦明かされると、共産党政権の正当性も地に落ちる。
習近平政権が誕生した3月14日は、ちょうど共産主義理論の創始者、今も鼻祖と拝まれているマルクスが死去して130周年になる。偶然ではあるが、現政権にとって、これは決して良い兆しではない。独裁政権の崩壊がすでにカウントダウンに入った今、厳しい現状を明確に了知している習氏にとって、時代が激変する中で、一人間として如何に行動すべきだろうか。
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