わずかな年金を手にする老人(Photo/Getty Images)
【大紀元日本2月28日】急速に少子高齢化が進む中国では、老後の社会保障制度が大きな関心事となっている。中国社会科学院がこのほど発表した調査は、現行制度が深刻な不平等をもたらしていることを明らかにした。
同院が22日に発表した『2012社会保障白書』と『中国社会保障収入再配分調査』によると、受給者の4割近くが、現行の年金では少なすぎると認識しており、「生活もままならない」と答えている。調査は河南省、福建省、陝西省、内モンゴル省、重慶市で約2000人を対象に行われた。
中国の現行社会保障制度は、公務員、民間企業社員、都市部住民、農村部住民などで違う年金制度が適用されている。最低支給は200元(約3000円)、最高は1万元(約15万円)。その差は50倍近い。白書は、これらを統合して公平性と効率性を是正することが求められていると認めている。
インターネット上では、「戸籍も社会保障も都市と農村で違う待遇。社会不安の元だ」「数十年も働いたのに、なぜ退役後にそんなに開きがあるのか」「こんな異常な経済モデルは長続きしない」「民生問題は社会不安の導火線だ」などと不満の声が相次いでいる。
(翻訳編集・竜崎)
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