北京天安門前に並ぶ警備兵(Feng Li/Getty Images)
【大紀元日本2月6日】公安・司法を所管する中央政法委員会の幹部がまた汚職問題で失脚した。国営新華社通信が2日、山西省太原市公安局の李亜力局長の解任を報じた。習近平党総書記の就任後、「第二の中央」と呼ばれる政法委では、幹部の解任や自殺が相次ぎ報道されている。習近平体制による粛清との見方が強い。
昨年12月、李局長は、自身の息子が飲酒運転と警官に暴行を加えた事件を隠蔽(いんぺい)したとして停職処分を受けた。
中国メディアの報道によると、李局長親子は昨年だけで、100回以上の官位売買を行い、多額な利益を得たという。派出所長のポストは100万元(約1500万円)で取引されている。
新華社の記事は、李亜力局長が「組織の廉潔と人事の紀律に違反した」と伝え、同省公安庁副庁長と太原市公安局長の解任と、1年間の党内観察を処された報じた。
一部国内メディアが報じた、上層部に近い情報筋からの情報では、最近の内部文書に、過去3カ月の間、各地で多くの政法委幹部が処分されていると記されている。また逮捕者は453人に達し、そのうち、公安部門は392人、検察部門は19人、裁判所は27人、司法部門は5人、その他は10人。さらに12人の政法委幹部が自殺したという。
国内メディアの報道もこの情報を裏付けている。1月16日、広東省汕尾市常務委員、政法委トップの陳増新書記は立件され、調査を受けていると報じられた。翌15日、湖北省の政法委トップの呉永文書記は逮捕された。1月9日夜、甘粛省武威市涼州区裁判所の張万雄副裁判長が飛び降り自殺した。広州市政法委の祁暁林副秘書長が1月8日に首つり自殺を図った。さらに山西省公安庁の李太平副庁長も昨年12月に解任された。
政法委は近年、治安維持の名目で警察、武装警察、国家安全部門まで管轄下に収め、勢力の拡大を図り「第二の中央」とも呼ばれていた。昨年は国防費を超える予算が充てられるなどして話題になった。
一方、幹部の汚職問題や市民の抗議デモを高圧的な手段で鎮圧するなど、国民からの不満も高く、「社会の不安を引き起こす部門」と指弾されている。
習近平新体制の発足後、中央政法委の権力は縮小された。トップは最高指導部である「共産党中央政治局常務委員会」から外れた。一連の政法委高官の失脚が、最高指導部による粛清との見方が、専門家の間では広まっている。
同情報筋は「政法委の後ろ盾が強いため、これからの戦いは非常に熾烈になるだろう」と話した。
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