「世界でもまれ」 中国の所得格差、最悪水準に

2012/12/11
更新: 2012/12/11

【大紀元日本12月11日】中国のジニ係数が0.61と、世界最悪水準に達していたことが明らかになった。0から1までの数値で表されるジニ係数は所得格差を表す指標であり、0.4は警戒線とされ、それを超えると紛争が多発し、特に0.5以上になった場合は、暴動など、極端な社会的対立も起きかねないとされている。

今回の調査は西南財経大学(四川省成都市)と中央銀行の人民銀行が共同で設立した中国家庭金融調査研究所が行ったもの。8438戸の家庭をサンプルに調査した結果、2010年の中国のジニ係数が0.61であることが判明。その中でも、都市部は0.56で、農村部は0.6。大卒以上は0.46で、小学校卒業以下で0.58との結果が出ている。

中国の同係数は2000年に0.412と警戒線を上回り、それ以降、政府が数値を公表していない。昨年あたりから、0.5を超えたとの見方が一般化していたが、それをさらに大きく上回る今回の調査結果に、同報告書は「世界でもまれだ」と驚きを隠せない。なお、0.6台はボツワナ等、一部のアフリカ・中南米諸国に限られているという。

所得格差は中国の社会的対立の誘因になっている。2010年に中国で発生した集団抗議事件は18万件(英紙デイリーテレグラフ)。新華社傘下の経済参考報は11日、政府が収入配分改革案を制定し、今月中にも発表すると報じている。同改革は2013年に予定されている各種の改革の中でも焦点になるという。共産党機関紙の人民日報も先月6日、「最も急を要するのは、不正収入や独占権益を是正し、不公平問題を解消することだ」と危機感をあらわにした。

(翻訳編集・張凛音)
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