中国の白酒「酒鬼酒」の旗艦店(大紀元資料室)
【大紀元日本11月22日】中国でよく飲まれる白酒(バイチュウ)から基準値を超える可塑剤が検出された。業界は、昨年6月にはすでにこの事実を知っていたにもかかわらず、1年以上、この問題を放置していたことも国内メディアの取材で分かった。
中国経済専門サイト「21世紀網」は国内有名ブランド「酒鬼酒」の成分分析を検査機関に調査を依頼した結果、フタル酸ジブチル/DBPなど3種類の可塑剤成分が検出された。その内、DBPは基準値の3.6倍にのぼる1.08ミリグラム/キロが含まれていることが分かった。
中国酒類協会の王延才理事長は同サイトの取材に対し、国内産の白酒のほとんどに可塑剤が含まれていると認めた。
昨年6月に中国衛生部が公布した食品添加剤関連法は可塑剤許容値を0.3ミリグラム/キロ以下と規定したばかり。同時期に同協会は市場に流通する白酒のサンプルを分析し、ほぼ全サンプルから基準値を上回る可塑剤が検出されたという。
同年12月、同協会は各メーカーに対し、生産・販売過程に合成樹脂類を使用しないよう呼び掛けた上、プラスチック製キャップの検査を特別に言及したという。
しかし、同協会はその後具体的な規制措置を打ち出していない。
可塑剤専門家で四川大学の雷景新教授は、白酒の生産過程で可塑剤の成分は入らないと話した。しかし、酒を送るホースや包装などの工程ではプラスチック製品に触れることがある。一般的に使用されているプラスチック製のホースは伝統的な高分子材料であるため、有機溶剤になるアルコールが可塑剤を溶かして白酒に混入してしまうと説明した。
この影響で中国国内の白酒業界全体の株価も急落した。
また、今回検出された可塑剤のフタル酸エステルは、昨年台湾で問題になった可塑剤と同様なものだとし、毒性が強く、男性の生殖能力に影響をおよぼし、女性は早熟になり、免疫系と消化器系を害すると指摘されている。