店頭に掲示されるナイフ類販売停止の知らせ(ネット写真)
【大紀元日本11月2日】5年に1度の中国共産党大会(18大)を前に、北京市では厳重な警備が敷かれている。ナイフ類の販売禁止から鳩やラジコン飛行の制限、タクシーの窓明け禁止など様々な策が講じられている。公安警察が総動員されるほか、140万の市民も監視役などに充てられるという物々しさだ。
政府や共産党の広報を兼ねる中国中央テレビ(CCTV)でパーソナリティを務める楊鋭さんも、思わずミニブログ(微博)で愚痴をこぼした。「スーパーで果物ナイフを探しまくったが見つからず、店員は、18大(党大会)前はナイフ類が販売禁止だから申し訳ないって」
また、北京のタクシーの後部座席の窓開閉レバーがすべて取り外されている。乗客が窓から抗議文書を撒くのを防ぐためのようだ。環球時報はタクシー運転手の証言を引用し、「10月13日にタクシー会社内部でこの対策が通告された」「北京市交通管理局からの命令だ」と報じた。
北京の主要幹線道路、天安門広場を通る長安街を走るすべてのバスには、2人の警官が常時乗車し、中心部の東単から西単までの区間を往復する。鉄道でも10月20日から11月18日までの間は、乗客へのセキュリティー検査が更に厳しくなる。
ラジコン飛行機の購入にも許可が必要で、風船もダメ、ペットの鳩も党大会中は自由に大空を飛べないという。
市民の日常を直撃するものだけでない。北京在住の人権活動家、直訴者および反体制派への監視も強化されている。エイズ感染者を支援する著名な人権活動家胡佳氏は10月25日、居住地の北京から地方に強制退去された。
また同じ10月25日には、北京市公安局が「18大安全保衛宣誓会」を開き、800人以上の警察代表が参加し、党大会期間中の万全な警備を誓った。さらに、140万人の市民も監視などによる警備に配置されるという。
共産党の事務機構となる中央弁公庁は各地の主要幹部に対し、会期中の出国禁止を通達した。非常事態の緊急対応に備えるためだとみられる。
米ロサンゼルス・タイムズ紙は「この当局の重要政治会議は、北京市民に深刻な苦悩と不便をもたらしている」と評した。国内のネットユーザーらも「ここまでして国を治めるならば、統治者は哀れだとしか言いようがない」「情勢がそこまで緊迫しているのか」「わが国の敵はますます強くなっているんだな」などと冷やかしている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。