中国からの資金流出が止まらない、年間約17.7兆円が海外へ(新紀元)
【大紀元日本10月18日】中国資金の海外流出が深刻化している。ウォールストリート・ジャーナル紙は、中国当局が発表したデータとして、9月までの1年間で国内総生産(GDP)の3%に相当する約2250億米ドル(約17.7兆円)が海外に流出していると報じた。一方、中国の外貨準備高が昨年に続き減少していることから、当局が資金流出を抑制するのは必至だ。
近年、海外で豪華な住宅や不動産を購入したり、多額な学費を払って子どもを米国に留学させたり、またヨーロッパで贅沢品を購入する中国人富裕層が増えている。また、外国企業の買収や山林土地などを購入する企業も話題になっている。
中国では個人が海外へ持ち出す金額は一人当たり5万米ドル(約390万円)に制限されている。企業も、商品の輸入や許可された海外投資の場合だけ、外貨に両替することができる。
しかし、規制をかいくぐり、資金を海外に持ち出すための抜け道が多く作り出されている。多くの人は親戚や知人の名義で資金を持ち出したり、すでに産業化された闇の資金移転仲介業者を利用する人もいる。
海外投資に詳しいある弁護士によると、資金移転仲介業者は、税関申請をせず、プライベートジェット機で現金をそのまま運ぶサービスを提供しているという。
これらの手段は関連部門の暗黙の了解のもとで行われているという。
さらに、企業側の海外送金時に個人の資金を交えたり、正規の輸出商品に対して偽のインボイスを発行したりし、大量の資金を移転するなど、ありとあらゆる方法で中国から資金を送り出している。
中国国家為替管理局(SAFE)は9月3日、1500社強の企業に対し、ペーパーカンパニーの疑いがあるとして、為替サービスの利用を停止。さらに700社に対し、利用の制限を発表した。今回の対策は、資金の海外流出に歯止めをかけたいためだとみられる。
中国は2011年、13年ぶりに四半期で初めて外貨準備高が減少した。さらに今年の第二四半期も減少が続いていることから、国際収支が黒字から赤字に転落することを意味している。