中国、司法改革白書を発表 「第二の権力体制」中央政法委の弱体化を示唆か

2012/10/12
更新: 2012/10/12

中国国務院は9日、司法改革に関して初となる白書「中国の司法改革」を発表(合成写真・大紀元)

【大紀元日本10月12日】中国国務院は9日、司法改革に関して初となる白書「中国の司法改革」を発表した。同白書は「裁判所、検察院の司法独立」を改革の根本的目標として掲げ、公正かつ権威ある社会主義の司法制度の構築を目指すと明記した。現行体制では、裁判所も検察院も中央政法委員会の管轄下にあるため、同目標が実現されれば、中央政法委員会の弱体化は避けられない。

最高裁判所、最高検察院、国家安全部、司法部、武装警察部隊などの重要機関を主管する中央政法委員会は、指導部以外の「第二の権力体制」とも言われている。そのため、胡錦濤主席と温家宝首相の就任当初には、政策の一部が中央政法委に無視され、「政令は中南海(共産党最高指導部の所在地)から出られない」と揶揄されるほどだった。

北京理工大学の胡星闘・教授はかつて、「司法の公正が守られない根源は政法委にある」とし、政法委の高圧的なやり方で各種の社会問題は深刻化する一方だ。法治国家に通ずる道の最大の障害はまさに中央政法委だ」と痛烈に中央政法委を批判した。

江沢民前主席は当時、法輪功への弾圧を後押しするために中央政法委の勢力拡大を図り、そのトップを共産党最高意思決定機関「中央政治局常務委員会」入りさせ、メンバーを従来の7人から9人に増やした。

間もなく開催される第18回党大会で、中央政治局常務委員会のメンバーは以前の7人に戻され、政法委のトップが最高指導部から除外されるとの見方が出ている。

専門家からは、「裁判所や検察院の司法独立を実現するため、まず中央政法委を分解するしかない」「その権力と地位を弱体化させるのは、指導部の共同認識だ」などの見解が出ている。

(記者・張明健、翻訳編集・叶子)