「3千年に一度の変局に直面」 党幹部養成学校の機関紙が警告

2012/10/10
更新: 2012/10/10

先月29日の北京の人民大会堂で開かれた建国63周年祝賀会に出席した習近平氏(Feng Li/Getty Images

【大紀元日本10月10日】中国共産党幹部の最高養成機関である中央党校の機関紙・学習時報はこのほど、中国はいま、「3千年に一度の変局に直面している」と明言した。同校は共産党中央委員会に直属し、次期最高指導者とされる習近平氏が校長を務める。

同文章は中国社会の深刻な問題点として▼社会の道徳体制の崩壊、イデオロギーの破綻、主流価値観の欠如▼近視的外交になっており、包括的な視野・戦略や具体的な道筋に欠け、国際情勢の変動を有効に利用できていない▼政治改革と民主化発展の停滞、などと分析した。そして、中国はいま、「3千年に一度の変局に直面している」と警告した。

同文章の論点は共産党政権内部の自らが直面している危機的現状への認識を反映しており、習校長の姿勢とも捉えられる。「改革の起動と推進は、大胆で無私な舵取りで果敢に血路を開くことによって初めて実現できる。冒険を恐れては、改革家とは呼べない」と、改革を進める決心もつづられている。

文章と似た論点は9月26日付のドイツ国際放送ドイチェ・ヴェレの報道でも取り上げられている。それによると、習氏は7月13日、改革派指導者の故胡耀邦・元総書記の長男の胡徳平氏と踏み込んだ談話を行った。胡氏は「中国が未曾有の問題を抱えている」との認識を示し、習氏に、「経済は安定の中で発展、政治は安定の中で改革、文化は安定の中で変革」と進言したという。胡氏は人民政治協商会議(政協)委員で、党内改革派のシンボル的存在である。

一方、学習時報の文章は、「いかなる改革にも超えてはならない一線がある」とも強調した。中国問題専門家らは、この一線とはつまり共産党体制であると指摘し、「改革派もあくまでも共産党統治を守るための改革を主張している」と、抜本的な変革は期待できないとしている。

(翻訳編集・叶子)