ホームレスとコミュニケーションをとる英国人ボランティアのトニーさん(網易)
【大紀元日本9月28日】中国陝西省西安市に、7年間ホームレス援助活動を続ける元英国軍技師がいる。彼の活動は最近、中国大手ポータルサイト「網易」に取材され、インターネットユーザーに広く知られることとなった。この英国人はユーザーたちから大きな支持と尊敬を集めている。
46才のトニーさんは、英国海軍の電気技師だった。軍を去った後、3つの会社を経営して、広い土地に大きな家と2台の高級レースカーを所有する贅沢な暮らしを送っていた。しかし約10年前、忙殺される日々に嫌気が差し、家や車を売り払って世界一周旅行の旅に出たという。
トニーさんと仲の良いマントウ屋店主(網易)
2005年、トニーさんは中国陝西省西安市で慈善団体「黄河慈善厨房」を設立する。この団体は2つのゴールを掲げる。「助けを請う人を助けること、また助けを提供したい人を助ける」ことだ。彼らは週3回、マントウ(中国の主食の蒸しパン)をホームレスへ無料で手渡したり、寄付された服を定期的に提供したりしている。
ある人はトニーさんにこう告げた。「ホームレスを助けるべきじゃない。故郷に家や車がある人もいる」。しかしトニーさんは、誰が「ニセ」で「本物」であるかは判断していない。「実際、彼らの多くは貧しい。私たちが彼らを助けることは意味がある」と記者に話した。また、「瑕不掩瑜(美しさは傷を隠すほど余りあるもの)」と中国のことわざを使って、ホームレス援助継続の意義を喩えた。
ある人々は、ホームレスは仕事をしたほうがいいと主張するが、トニーさんはその意見に賛成しない。「ホームレスたちの能力には差がある。一部は高齢者、知的・身体的障害者で選択のない人々だ。あるいは、ただ現状を変えようとしない人々もいる。私たちの行うべきことは、ただ暮らしの援助をすること」
ポータルサイト「網易」には、この記事について多くのコメントが寄せられた。トニーさんの支持を中心に、政府や体制批判の声が伺える。
広東省東莞市のネットユーザー・専業スイカ切りは、こう述べた。「すばらしい、敬服する。彼の行いは赤十字の金持ち幹部の1000回の慈善活動よりも価値がある」。また四川省成都市のユーザー・芙小小仙子は、「もし赤十字がマントウを彼らに渡すなら、10元を要求するね」。なかには「独裁政権下では、こういう人は生まれない」「この話を読んで、政府の人は赤面しないのか?」などの発言も見られた。
あるユーザーは嫉妬のためか、次のように述べた。山西省太原市のユーザー・wangfeng8990は「(母国で)負け犬の外国人が、中国に来てかっこよく見せるために行ってる」と言い放った。しかしトニーさんの支持が多く、このコメントには反論が続いた。「トニーさんは心の良い友人だ。このコメント者は心のない敗者だ」「人を信用できないこの国(中国)の視点では、素晴らしい慈善活動を偽善と陰謀に関連付ける。残念ながらそれでは(トニーさんの)域に到達することはできない」「悪い人の目からは、世のすべてが悪く見える。発言者がどんな人間であるかが伺える」
トニーさんはマントウを配り終えると、毎度15分の道を歩いてバスに乗り、帰宅する。頻繁に顔を合わせるマントウ屋店主とは友人となった。店主とは必要な個数について、毎回電話で連絡しあっているという。
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