【大紀元日本9月26日】中国東北部の遼寧省盤錦市近郊で21日午前、農地の強制収用に反対する農民が警官に射殺された。翌22日、現地当局はこの件について「公安警察の公務執行を暴力で妨害する事件」と結論付け、発砲は法律違反ではないと発表した。
同市近郊の興隆台区二十里村に住む農民王樹傑さん(当時36歳)と家族は、地元当局による農地収用を拒んできた。しかし、21日午前、当局関係者が押し入り、重機で王さんの麦畑を掘り起こした。双方が激しくもめた末、当局関係者は警官2人を現場に呼んだ。
現場目撃者が大紀元中国語版に寄せた情報によると、1人の警官が銃で王さんの父親の膝、母親の腕をに向けて発砲。両親をかばおうとした王さんの胸部に銃弾が命中し、王さんは即死した。その後、数百人の警官隊が現場に派遣され、死者の遺体を押収した。王さんの妻も強制連行され、いまも所在不明だという。
香港の著名文化人・梁文道さんは収集した情報をミニブログに書き込んだ。発砲のあと、警官が現場で「政府に従わないヤツは何人殺してもどうってことない」と叫んでいたという。
翌日、同市当局は調査結果を発表した。「王樹傑さんと家族は警官にガソリンをかけた。彼が自分の服に火をつけて警官に飛びかかったとき、脅威を感じた警官が銃を発射した」「村民が公安警察の公務執行を暴力で妨害したため、警官が銃を使用した」として、警官の行為は違法ではないと結論づけた。
事件に多くの国内メディアが注目した。南方都市報は社説で法律執行の公平性に懸念を示した。「強制収用隊は警察の法律執行の対象にならないのか。行政の暴力が合法で、暴力でそれに対抗する民衆の行為は違法なのか。この不公平さに納得するはずがない」
共産党の機関紙・人民日報も現地政府の対応を批判している。「違法な強制収用だったのか」「衝突の原因は何か」「警官はどのような状況下で銃を発射したのか」「なぜ、当事者と傍観者の証言がないのか」などの疑問点を挙げている。
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