【大紀元日本8月25日】中国富豪の海外移住ブームは新しい話題ではないが、ここにきて、その兆候がいっそう強まっている。中国経済の先行きに不安を感じる富豪の多くは、「自分の金、そして自分たちをもっと安全な場所に移そう」と考えているようだ。
BBC(中国語版)は上海在住の億万長者・黄有志さんの事例を取り上げた。
不動産事業で巨額の富を築いた彼は、国内で200室ある巨大物件を保有し、国外では5つ以上の都市で不動産を持っている。愛車はポルシェだという。
黄さんの主要事業は中国国内にあるが、投資という方法でシンガポールの居住権を得ている。
彼の多くの富豪仲間も中国脱出を考えており、その主な理由は、「国内では安心感が乏しい」からだそうだ。黄さんは富豪らの心配をこう代弁した。「今は巨額な財産を手に入れたが、ある日突然、政府の政策が変わったら、自分たちの財産が取り上げられるのではないか」。
BBCは、「自分の実力で創業したにしても、汚職で不正蓄財したにしても、様々な兆候から見えるのは、これらの中国の富豪たちは皆、国外脱出を計画している」と伝えた。
投資で米国永住権取得
米国のEB-5投資永住権プログラムは、10人以上の雇用を保証できる外国人投資家に永住権を与えるものだ。
このプログラムで永住権を取得した中国人は2006年では63人だったが、昨年では2408人に躍進し、今年の現時点ですでに3700人を超えている。全世界の投資家を対象とするこのプログラムだが、これまでに許可された投資家数の75%を中国人が占めた。
昨年発表された国内の調査では、無作為に選ばれた資産百万ドル以上の中国富裕層千人のうち、6割は海外の移住を計画していると回答した。
移民先は米国だけではない。豪州への中国人移民も増え続けている。2011年、投資移民を含めた中国人移民は初めて英国移民を上回ったという。