【大紀元日本8月20日】電子機器受託生産大手の台湾のフォックスコン(鴻海)がインドネシアに今後5年から10年で総額100億ドルを投資し、工場を建設するという。ロイター通信が伝えた。
フォックスコンは投資計画について発表していないものの、台湾紙・経済日報は、郭台銘代表が最近インドネシアへ行き、市場調査を行ったと報じている。
インドネシア政府と企業はフォックスコンの投資に非常に積極的であり、ギタ・ウィルヤワン貿易相はロイターに対し、同社が今年10月に、首都ジャカルタ付近の工業団地に携帯端末の組み立て工場の建設に着手する予定だと明らかにしている。この工場では当初年間300万台の携帯電話を生産し、その後徐々に拡大していくという。5年から10年のうちにフォックスコンがインドネシアに50から100億ドルを投資する予定であると貿易相は述べている。
インドネシア紙インベスターズ・デイリーはモハマッド・ヒダヤット産業相のコメントを引述し、フォックスコンはバンタンの工業区に携帯の工場を建設する可能性があると伝えている。また、インドネシアのエレクトロニクス関連業界団体のAli Soebroto Oentayo会長は、フォックスコンはすでに中国やブラジルに工場を持っているが、東南アジアにまだないため、市場の可能性の角度から、インドネシアは正しい選択であるとコメントしている。
近年、フォックスコの中国工場では労資紛争が多発している。そのため同社は、そのほかのアジアの国へ生産業務を分散せざるを得なくなった。アジア開発銀行によると、インドネシアの平均月給は113ドルで中国の3分の1。ここ数年、多くの製靴業や紡績業企業が中国からインドネシアへ移転している。チャイナ・マーケット・リサーチ・グループのシニアアナリストジェームズ・ロイ氏は、フォックスコンが直面している問題は中国の労働者賃金の急速な上昇だと分析し、過去数年間、毎年二桁の上昇を記録していたと述べた。
このほか、インドネシアの巨大な国内市場もフォックスコンが同国を投資先に選んだ理由の一つでもある。インドネシア人口はおよそ2.5億人。経済成長とともに同国では中産階級が増え続けている。フォックスコンは新興国の高成長で、欧米や、中国などの低迷した購買力を補うことを望んでいると業界関係者は分析している。
また、フォックスコンのインドネシア投資は、東南アジア自由貿易圏における足場を作ることにも繋がる。同地区の消費者数は米国の2倍であるとロイターは伝えている。