【大紀元日本8月10日】重慶市トップを解任された薄煕来氏の妻で、英国人実業家を毒殺したとして故意殺人罪に問われた谷開来被告らの初公判が9日、安徽省合肥市で開かれ、即日結審した。谷被告は起訴事実を認めた。
国営新華社通信は谷被告の犯罪動機は、英国人実業家のニール・ヘイウッド氏が息子・薄瓜瓜氏の身の安全にとって脅威となっていると感じたことだと伝えている。
また、公判が行われた合肥市中級人民法院(地裁)の副院長が、公判終了後に記者団に明らかにしたところによると、谷被告の弁護人は、「ヘイウッド氏は事件の起因に一定の責任があり、谷被告は犯行当時、自己抑制能力が正常な人より弱かった」「谷被告が他の人物の犯罪も供述し、捜査に大きく貢献した」ことなどを挙げ、情状酌量を求めた。
この日の審理を傍聴したのは、被告や被害者の親戚友人、在中英国公館員、記者、人民代表、政治協商委員、各界の人民など計140人あまりだったと、新華社は報じている。一方インターネットには、傍聴を申し込んだ市民から、「政治事件だから、軽々しく踏み込むな」と警告されたとの情報も流れている。
法廷に私服で登場した谷被告の出で立ちにも疑問の声が上がっている。「殺人罪に問われる者は手錠と足枷で出廷するのが普通だが、彼らはどうしてこんなにも立派な格好をしていられるのか」「決まった囚人服で出廷するはずでしょう。完全にショーではないか」とネットユーザーらはミニブログに書き込んだ。
海外の多くのメディアも今回の公判を「ショー」と見ている。米VOAが9日、「裁判はショーだ」と題する記事を掲載し、「裁判ショーがなんなのか分からない人にはこれが教本になる」と揶揄した。「30年来中国の政界で起きたもっとも衝撃的な事件の中心人物に対する審理がわずか7時間で終わっている」(ロイター通信)「曇り空の下で、合肥市中級人民法院はたったの一日でニール・ヘイウッド氏殺害の審理を終わらせた」(仏紙ル・モンド)と、どちらも殺人事件のスピード審理に驚きを示し、公判は周到に下準備されたものではないかとの見方を示した。
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