加ネクセン買収で中海油関連企業のインサイダー取引が発覚

2012/08/01
更新: 2012/08/01

ネクセン社買収案でインサイダー取引が発覚(GettyImages)

【大紀元日本8月1日】米国証券取引委員会(SEC)は7月27日、エネルギー大手で中国国営・中国海洋石油有限公司(CNOOC、中海油)が同業カナダのネクセンの買収案において、香港およびシンガポールの複数のトレーダーが事前に入手した内部情報を利用して、ニューヨーク株式市場で約1300万米ドル(約10億1400万円)の利益を不正取得していたと発表した。SECは、インサイダー取引の疑いで同トレーダーらの米国での総額約3800万米ドルの資産凍結をニューヨーク・マンハッタン連邦地裁に申請した。地裁はこれを承認した。

中海油は7月23日ニューヨーク株式市場の取引開始前に、カナダのネクセン社を151億米ドルで買収することで合意したと発表した。これの影響で当日のニューヨーク株式市場のネクセン社の株価は急騰、前営業日の20日と比べて、約61%高で終値を付けた。

米SECが裁判所に提出した訴状によると、香港企業のウェル・アドバンテージー(Well Advantage)社は7月19日に約83万ネクソン株を購入し、23日の同株の終値で計算すると、帳簿上では約700万米ドルの利益を取得したが、しかし今年1月から7月19日まで、同社がネクセンの株式を取引した記録がなかったという。SECは、同社がネクセン株を手仕舞いした24時間後に緊急に資産凍結を行った。

また、シンガポールのトレーダーも買収案発表の数日前に約68万ネクセン株を購入し、23日買収案発表後、直ちに手仕舞いしたため、約600万ドルの利益を上げた。

SECは香港ウェル・アドバンテージー社の創立者である張志熔氏は香港株式市場に上場している中国国内重機および造船会社の熔盛重工集団の会長を務めており、同会社は中海油との間で2010年に「戦略提携協定」を結んでいる。両社の間では頻繁に業務提携が行われていると指摘した。

中海油は2005年に米石油大手ユノカル社の買収計画を試みたが、国営企業であるため米国政界からの強い反発を受けて買収計画をあきらめた。今回カナダのネクセン社買収案に関しては、成功すれば中国企業による最大規模の海外買収となると言われているが、買収を成功させるにはカナダ、米国および欧州連合などの政府機関からの審査を受け承認を得なければならない。そのため、今回のインサイダー取引の発覚で同社の買収計画が難しくなったと思われる。

(翻訳編集・張哲)

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