【大紀元日本5月10日】中国国営中央テレビ局(CCTV)は7日深夜2時、英語ニュースチャンネルでチベット人の焼身自殺事件に関する特集番組を放送した。番組の中で「ダライ・ラマ14世の集団は邪教に成り下がっている」と激しく糾弾する一方、同チャンネルが海外向けの放送であり、国内では視聴できないことになっている。その理由として専門家は、政府批判につながる内容があるからと指摘する。
「ダライ・ラマ集団と焼身自殺事件」を題とする同特集で、ダライ・ラマ14世が焼身自殺で死亡した僧侶の遺体を買い取っているとし、「焼身自殺の行為を肯定し、ダライ・ラマ14世が率いるチベット人の集団は邪教に成り下がっている」と事件の責任はダライ・ラマ14世にあると非難した。
政府系メディア中新社の報道によると、同特集のスペイン語、フランス語、アラビア語、ロシア語などの外国語版も今後、放送される予定だという。海外のメディアは中新社の同特集に関する報道を転載しているが、国内で検索しても報道を見つからない。
北京在住のチベット人作家・唯色(ウーセル)氏はツイッターで、深夜での英語版放送について、「国内の市民が見たらびっくりさせられる内容が多く、共産党批判につながりかねない」と書き込んだ。
番組の中で、これまで国内で放送されなかったダライ・ラマ14世の説法場面、チベット亡命政府のロブサン・センゲ首相の映像、「政府による弾圧」と報じた自由アジアラジオ局の報道、そして焼身自殺の場面が盛り込まれている。
反体制派作家の莫之許氏は同番組が「対外宣伝用の番組」だと一蹴し、そもそも国内で放送するつもりがないと話す。
ただ、CCTVの外国語ニュースチャネルは視聴率が低いため、同特集は大きな影響力はないとみられている。
(翻訳編集・余靜)
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