中国で地溝油3200トン押収、加工食品や鍋の調味料か

2012/04/05
更新: 2012/04/05

【大紀元日本4月5日】中国公安部はこのほど、大規模な合同捜査を行い、全国各地で地溝油を加工・販売する闇工場を摘発、3200トン余の地溝油を押収した。

地溝油(ちこうゆ)とは文字通り、闇業者が排水溝や下水溝に溜まったクリーム状(あるいはスカム状)の油を濾過し、精製した安物の食用油脂である。以前も、中国で大量に流通していたことが発覚し、社会問題化になった。

中国国営通信社・新華社の公式サイトは2日、今回の取り締まりを報道した。それによると、浙江、安徽、上海、江蘇、重慶と山東など6つの省・市の公安当局が合同捜査を行い、各地で地溝油を精製する闇工場13箇所を摘発、100人あまりを逮捕し、現場から約3200トンの地溝油を押収した。

中国国内紙「新京報」によると、今回摘発されたのは「新型地溝油」。主に屠殺場から回収した牛や豚、鳥の内臓、皮膚などの廃棄物から精製された食用油脂である。安徽省や上海市、江蘇省、重慶市などの各地の食用油脂の加工食品会社に流通し、加工食品や中華しゃぶしゃぶ鍋の調味料に使われていたと見られている。

地溝油問題を追跡調査している上海市華東理工大学社会発展研究所の曹錦清所長は、中国の食品安全問題は深刻さを増しており、政府の管理・監督の不備が主な原因の一つであると指摘した。

 (翻訳編集・叶子)