【大紀元日本3月6日】先月末、広東省梅州市ではセメント工場による環境汚染に抗議する村民と警察の間で衝突が発生し、多くの村民が警察の暴力的鎮圧により負傷した。
2月27日朝、同市蕉嶺鎮県新鋪鎮北方村の村民数100人が問題のセメント工場正門と南門を塞ぎ、工場運搬車の出入りを阻止していた。このため現地政府は多くの公安、暴動防止隊を出動させ村民を鎮圧した。28日、村民3人が警察に逮捕されたことに不満を爆発させた村民らが再び工場の出入口を塞いだ。
村民曾さんの話によると、28日午後2時ごろ、警察の暴動防止隊200人が警戒線を引き、さらに新鋪鎮の各入口を封鎖し車両の出入りを禁止した。その後警察は電気棒でその場を離れない村民らを殴りつけ、駆逐しようとした。村民1人を警官3、4人で起き上がれなくなるほど殴りつけ、手錠をかけたまま警察車両に載せた。暴力を受けた村民のうち5人が重傷を負い、10数人は軽傷だった。ある村民夫婦はまだ入院しているが、家族は会わせてもらえていない。18人が連行され、そのうち3人は拘留されている。
村民陳さんは、警察の暴行で手足が骨折した村民もいると話している。また気絶した村民や内出血した村民もいたという。話し合いに臨んだ村民は殴る蹴るの暴行を受けていた。
事件後、村民らは現地政府に、逮捕された3人の村民を釈放するよう要求した。鎮幹部は家族に反省書を書くよう迫ったが、家族は拒否している。
記者は新鋪鎮政府に事件について電話で詳細を尋ねたが、汚染問題について鎮政府はすでに協議調整をしたとの回答を得た。その他の事情は公安局に尋ねるよう言われた。
村民の訴えによると、問題のセメント工場「皇馬セメント」は07年ごろに生産が始まった。工場からは騒音が鳴り続け、大量のガス、粉塵が排出されているため、近隣の住民の健康にとって脅威である。汚水も未処理のまま直接排出されるため、魚やエビは食べられなくなり水も飲めなくなったという。村民は何度も現地政府に状況を訴えたが、最終的には全て未解決のまま棚上げにされたため、工場出入り口を封鎖する抗議活動を行い、メディアが問題を取り上げることを望んだのだ。
現在、村の家屋の上、バルコニーには粉塵が積もり、窓は開けることが出来ないうえ、農作物も汚染を受け売り物にならない状態だ。空気中の汚染も深刻で、村民は咳や肺などの疾病を引き起こしている。騒音が酷く、村民の休息にも影響を及ぼしている。水は重金属に汚染されており、川に流れ込んだ排水により田畑や魚などに被害が出ている。
事情に詳しい人物によると、同セメント工場は梅州市の市委員会書記が資金導入しており、同市幹部の多くが株を所有している。だから村民からの訴えが解決されないのだという。
事件後、村民は皇馬セメントと県政府に対し、汚染問題の解決と逮捕された村民の釈放をしなければ皇馬の水源を断ち、工場の通り道を封鎖すると警告している。