【大紀元日本3月5日】中国の軍事予算はここ20年間、ほぼ毎年、前年比2桁増を続けている。最近公表された2012年度の軍事予算は前年比11.2%増となった。
中国全国人民代表大会の李肇星・報道官は今年の全人代の開幕前日に、2012年度の軍事予算を公表した。総額は6702.74億元(約8兆7000億円)に達し、前年度より676.04億元(約8788億円)上回った。
李肇星・報道官は、中国の国防投資は主要他国に比べれば低い方であると述べ、「2011年度、わが国の軍事予算は国民総生産の1.28%しかない。米国や英国などの国は皆2%以上だ」と発言した。
一方、外国の軍事専門家は、中国の実際の軍事出費は政府の公表よりも多いと指摘する。
台湾の軍事誌「亜太防務」の総編集長・鄭継文氏は、多くの国には公表していない陰の軍事出費があり、米国も例外ではないとしながらも、この状況は中国において一段と深刻であると指摘した。
AP通信は、軍事増強は主に米国に対抗するほか、インドや日本、ベトナム、フィリピンなど中国と領土紛争のある国をけん制するためでもある、と伝えた。
中国共産党の機関紙「人民日報」傘下の「環球時報」の社説は次のように論じた。「台湾問題が解決されていない中、中国周辺の海域をめぐる領土紛争は随時にエスカレートする可能性もある。中国は外部との競争が熾烈になるため、軍事力は絶対に伴うべきだ」
軍事研究機関「IHS Jane’s」は、中国の軍事予算は2015年には2382億ドル(約1兆5021億元)に倍増する見込みで、アジア諸国の国防費用の総計を超すとの予測を最近発表している。
周辺諸国の憂慮に対して、李肇星・報道官は、中国が国防に実力をつけるのは平和維持のためと強調し、「我々の限られた軍事力は国家主権の安全や、領土保全のためで、他国に脅威をもたらすことはまったくない」と述べた。
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