【大紀元日本2月28日】湖北省宜省市では今週始めから、退職金に不満をもつ中国葛洲壩(は)集団の定年退職者が道路を塞ぎ抗議を続けている。同集団は三峡ダム建設工事の主要会社であった。フランス国際放送(RFI)が伝えた。
RFIの取材に答えた中華網民互助会の項軍さんによると、抗議者は政府に助けを求めているが、当局は今だ解決策を講じていない。本部を湖北省宜昌市に置く同社の1万人以上もの60歳から70歳までの定年退職者が、退職金や福利待遇が低いという会社への不満を訴えるため、20日、市内のロータリーを塞いで渋滞を引き起こし、事態の周知を図った。
葛洲壩集団は中央政府直属の大型国営企業で、主に建設工事、水力発電投資、不動産に従事している。1970年、長江で初めてのダムである「葛洲ダム」の全体の建設を請け負った。三峡ダム建設における60%の工事は同集団が引き受けている。同集団サイトの退職者向けメール通信によると、現在同集団には3万7000人の従業員がおり、3万5000人の定年退職者がいる。
また同集団従業員はマイクロブログ微博に「06年以前の退職者は毎月1500元の退職金が支給されているが、06年以降の退職者には3000元が支給されており、不公平である。多くの定年退職者は葛洲、静江、から三峡ダムなどの建設に従事し、苦労したにもかかわらず退職金はたったの千数百元だ、出稼ぎ労働者にさえ及ばない」と待遇の不平等さを暴露した。
この従業員はさらに、数千人の定年退職者は住居分配の不平等などの問題を訴えていると書き込んでいる。あるネットユーザーは、定年退職者の巨額の退職金を前理事長の楊継学氏が横領したため今回の事件が発生したとコメントした。
しかし最近、楊氏は一次省級人大会議において、葛洲壩集団の定年退職者には平均3000元以上が支給されている、と発言した。これを聞いた退職者らが不満を爆発させ、今回の抗議行動を起こした。
中国国内メディアはこの件に関する内容を一切報じておらず、国営新華社通信(英文ネット版)には、抗議者は退職金の計算方法や医療保障制度の不合理にに不満を持っている、とだけ伝えている。