【大紀元日本2月16日】一般的に、気温が下がれば空気もきれいになると考えられているが、実はそうではない。現在、寒波が続くフランスの大部分の地区では、空気中の浮遊粒子の汚染指数がほぼ警戒線を越えている。これらの地区の浮遊粒子量は気温上昇に伴い減少するものと予想されている。
浮遊粒子状物質は何処から来るのか
浮遊顆粒汚染は空気中の粒子状物質を指し、これらは暖房で使用する炭や自動車が排出する排気ガス、時には工場からの排出や農業生産により発生している。空気中の浮遊粒子状物質PM10の警戒線は1立方メートル当たり80ミリグラム以下とされている。
気象環境保護の専門家は、欧州東北部の冷たい空気が連日フランスに流れ込み、多くの地区の浮遊粒子状物質による汚染指数が増加していると伝えた。これに加え、寒気が入り込む期間は風が強くないため、浮遊粒子が積もり続け濃度が増加する。パリ地区の大気汚染監督センター「エールパリフ(Airparif)」のエンジニア、アニー・コウフマン氏は、寒気により、空気中の浮遊粒子状物質の量が増加することは、特に木炭を使用した暖房に関係が深いと指摘した。これらの浮遊粒子物質が体内に入り、呼吸器系に影響を及ぼしている。
仏環境省のデータによると、現在ノール=パ・ド・カレー地域圏やノルマンディー地区、西南部のポワトゥー=シャラント地域圏、東部のアルザス地区、東南部のローヌ=アルプ地域圏および西北部ロアール河畔のアンジェ、西南部のボルドーなど多くの都市の浮遊粒子状物質の量が基準値を超えており、ノルマンディー地区ではPM10の含有量が94ミリグラムに達したこともある。
環境保護関連の措置
空気の質量改善のため、浮遊粒子状物質が基準値を超えた地区の住民は極力木材を燃やしてペチカで暖をとらないようにと仏環境省は提案している。同時に、粒子状物質を除去するフィルターを装備していないディーゼル車の運転制限や、高速道路などでの走行スピード減速、市民へ公共交通施設の使用を呼び掛けるなどもしているという。
このほか、関連部門が現地市民に対し、特に8歳以下の児童、高齢者、ぜんそくや心臓病患者、また妊婦などに対し、寒波の期間中は出来るだけ屋外でのトレーニングや過激な運動を避けるよう呼びかけている。
欧州の大都市の道路交通による汚染が直接市民の寿命に影響を及ぼしている、と昨年ヨーロッパで行われた研究で実証されている。フランスには汚染指数が基準値を超え、EU委員会の罰則を受けている都市が15カ所ある。現在、関連措置が採られており、8つの都市で汚染タイプ自動車ゼロの試みが実施されている。
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