有名な反米主義中国人 米空港エスカレーターで首を挟み負傷

2012/02/03
更新: 2012/02/03

【大紀元日本2月3日】「アメリカは世界中すべての人の敵だ」「(アメリカ国内の)エネルギー消費レベルは世界平均の10倍、まるで巨大な腫瘍」「第二次世界大戦以降のすべての戦争は、アメリカにより扇動、工作されて始まった」

中国で、西洋自由主義に厳しく反対する人物として知られるテレビ解説者・司馬南氏は2012年1月20日、自身のマイクロブログ「微博」に感情的に書き込んだ。これには訳がある。司馬氏が嫌う米国の空港で、エスカレーターの手すりと壁に頭部を挟み負傷してしまったのだ。個人的な不注意によるケガが、彼の反米感情をさらに煽った。

司馬氏は、首の固定器具を装着せざるを得ないような傷を負っても、搬送先の病院内で自身の微博を頻繁に更新し続けた。その中で司氏は、空港に対して「頭部を突き出してはならないという注意表示がなかった」という理由で空港側を訴えるとも述べている。

中国共産党員である司馬氏は、左派論者、無神論者として知られ、また米国や西側文化を酷評することで知名度を上げてきた。また、偽者が横行する気功師と学習法についても執拗なまでの批判をテレビや左派サイトで行っていた。しかしながら一時期は自身も気功師として中国国営放送の新年番組などで気功パフォーマンスを演じていたという奇妙な経歴を持つ。

米国ワシントンへ向かう乗り継ぎとしてダレス空港を利用し、負傷した司馬氏。彼の災難に中国のネット市民の中の同情的な声は少ない。「新年のコメディ番組より面白い」「CIAに対して知的エスカレーター開発成功をお祝いする」などと痛烈に皮肉っている。また、旧正月目前に米国へ向かった理由は在米の妻と娘に会うためだったのではないか、との噂がインターネットで流れている。司馬氏は噂の回答をしておらず、真偽のほどは不明だ。

ピューリツァー賞受賞ジャーナリストであるイアン・ジョンソン氏は、1999年7月の中国当局による法輪功弾圧をきっかけに名声を得た人物と司馬氏を指摘する。当時のウォールストリートジャーナルに発表した記事にて「長年無名であった司馬氏は、中国当局による法輪功弾圧が始まってわずか6週間で、当局に必要とされる人物となった。自称『邪教バスター』は党幹部の命令で国中奔走して法輪功学習者を捜し、さらに『無神論のヒーロー』賞まで受けた」と記している。

(翻訳編集・佐渡 道世)