法輪功学習者を多数逮捕 子どもが警察当局の人質に=ハルピン市

2012/01/10
更新: 2012/01/10

【大紀元日本1月10日】 昨年12月の一ヶ月間、中国東北地区の黒竜江省ハルピン市で80人以上の法輪功学習者が警察当局に強制連行されたことが判明した。

法輪功の公式サイト「明慧ネット」が収集した現地情報によると、今回の大規模逮捕は同市「610弁公室」が主導した。

「610弁公室」は1999年6月10日、当時の江沢民・前国家主席が「法輪功取締機関」として設立した秘密警察組織。江沢民・前国家主席と同機関の責任者の直接命令のもとで、法輪功学習者への集団弾圧を執行するオフィスだ。

「明慧ネット」が今回の大掛かりな逮捕について、次の通り、一部情報を公表した。

当局は今回の大規模逮捕を綿密に計画していた。逮捕の対象となる法輪功学習者の名簿を作成して、長時間の尾行や電話の盗聴、インターネット上の監視を行った。

そして、12月31日の一日で、ハルピン市在住の30人の学習者が強制連行された。

子どもを人質にとる警察当局

12月20日午後、4人の警官が学習者・郭玉華さんの自宅に押し入った。彼女が留守だったため、息子を人質にとって強制連行した。警察側は彼女が身柄交換に出頭しなければ、息子を監禁すると告げた。現在、彼女はハルピン市公安局の拘置所に監禁されている。

家族も難を逃れない

12月7日夜8時前、12人の男がハルピン市双城市の李樹奇さんの自宅に押し入った。一行は警察と自称するだけで、身分の証明は一切示さなかった。70代の李さん、息子家族5人、その場に居合わせた知り合い1人が強制的に連行された。

12月31日午前8時過ぎ、ハルピン市香坊区在住の学習者・斉亜茹さんは姉の自宅で警察当局に強制連行された。学習者でない夫と10歳の娘も一緒に連れ去られた。

家財の強制押収

12月9日、双城市在住の学習者で、蔵金秀さんと71歳の鄭士寧さん、64歳の杜桂蓮さんが6、7名の警官に強制連行された。その後、鄭士寧さんは監禁施設で意識を失って倒れたため、病院に搬送された。また、パソコンなどの貴重品も強制押収されたが、1ヶ月過ぎた今でも返還されていないという。

後に、警察は2人の老人からそれぞれ3500元(約4万9千円)の金を徴収して2人を釈放した。

12月31日朝7時頃、ハルピン市道里区在住の学習者・王伝璽さんは自宅で強制連行された。その際に、2万元(約28万円)の現金、銀行のキャッシュカード、高価な家財が大量に強制押収された。王さんは現在、同市第二看守所に監禁されている。

明慧ネットの情報によると、昨年11月には、同市で約70人の法輪功学習者が強制連行されて、その数人は後に強制労働収容所に監禁された。また、拷問や虐待のため精神異常に陥った人もいる。

法輪功(ファルンゴン)とは、中国伝統文化の一つである気功の心身健康法。20年ほど前から無料で一般に公開され、世界に普及してきた。心身の健康に効果が高いことから、一般庶民から政府高官や軍の関係者も含めて、中国社会の各層で学習する人が爆発的に増え、弾圧が始まる直前は、愛好者は1億人に上っていたと推定されている。当時の江沢民・前国家主席はこのことを政権への脅威と受け止めて、1999年7月に弾圧を命じた。法輪功の公式サイトは、12年間に及ぶ弾圧によって3400人以上が拷問などで死亡、数十万人が投獄されていると発表した。世界60カ国に広がっており、日本では約1千人の学習者がいると推定されている。

(記者・王量、翻訳編集・叶子)