【大紀元日本12月30日】中国では、ブランド品の偽紙袋が大量に出回り、人気を呼んでいる。経済力がブランド品の消費に達していない社会層が、主に買い求めている。この種の購入はほとんど実需要ではなく、自分の経済力を誇示して虚栄心を満たすためで、「面子消費」と名づけられている。
ネットショッピングサイトで検索してみると、エルメスやルイ・ヴィトン、シャネル、プラダ、バーバリーなどの有名ブランドの紙袋が勢揃い。大多数は偽物で、5~200元(60~2400円)(1元=約12円)の価格。売れ行きは極めて良好とのことだ。
徐さんは、ネットで50元のルイ・ヴィトンの紙袋を購入した。以来、彼女は買い物のときも遊びのときも、常にこの紙袋を持ち歩くようになった。「結構格好いい。街で歩いているとき、周りの視線を感じる」という。
徐さん曰く、自分はブランド品は好きだが、なかなか手が出ない。あるとき、友人がグッチの紙袋を持ち歩いているのをみて、すごく羨ましかった。インターネットで買ったというので、迷わずひとつ購入することにした。
ネットでブランド品の偽紙袋を買ったある人は、コメント欄で「俺が買ったのは紙袋ではなく、身分であり、心情と面子なのだ」と書き込んだ。
中国の政府系新聞紙「中国青年報」が1104人に聞き取り調査した結果、84.2%が「若者の面子消費が周辺で非常に多く見受けられる」と回答した。人気商品の順位は服飾、贈答品、車である。
現役の学生の間でも面子消費が流行っているという。
また、調査から、面子消費は都会の会社員から農村部からの出稼ぎ労働者まで、幅広い社会層におよんでいることが明らかとなった。
27日付のウォール・ストリート・ジャーナルは関連報道で次のように報じている。
「長年、グッチやシャネルの買い物袋は、中国の消費者にとってブランド品を購入する要因のひとつと見なされてきた。しかし、経済力を顕示したい人たちにとって、数千元の大金を払って本物を買うより、ネットでわずかの代金で偽物を買ったほうがいい」
同報道は、「中国でブランドの偽紙袋の市場が繁盛しているのは、中国の消費者が社会的地位に執着する度合いを表すものであり、中国市場でのブランドの役割を示している」と記述。
評論家は、面子消費の異様な蔓延は、中国の堕落した社会風紀がもたらしたものであるとコメントしている。
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