中国5大淡水湖の汚染が進み、「2億人の健康を脅かす」と報告書

2011/12/13
更新: 2011/12/13

【大紀元日本12月13日】「第一回中国湖フォーラム」で12月11日、5大淡水湖に関する調査報告が発表され、湖の水質汚染が「社会経済の発展に影響を及ぼしている」「水質の改善が急務だ」と警鐘を鳴らした。国内各紙や英BBCが報じた。

同報告書は中国科学院、南京大学など研究機関の20数名の専門家がまとめたものである。

鄱陽湖、洞庭湖、太湖、洪澤湖、巢湖は中国の五大淡水湖と数えられる。長江の中下流に位置し、流域付近に2億人が生活するほどの人口密集地で、経済が発展している地域でもある。五大淡水湖の汚染は生態環境に影響するだけでなく、付近で生活する2億人の健康が脅かされていると、報告書は問題の重大性に触れた。

中でも、安徽省内の巣湖と江蘇省内の太湖の汚染問題が最も深刻だという。比べて良い状況を保っているのは湖北省内の洞庭湖。不安定な状況をたどっているのは洪澤湖。一方の鄱陽湖は長年、悪化し続けているという。

英BBCは報道で、汚染状況はその流域の経済発展度合いと正比例を成していると指摘する。

汚染物の量の多さ、富栄養化、改善の困難さ、生物生息地の減少、生物多様性の減少などは各湖に共通する問題だと報告書はまとめた。

作成者の1人、中国科学院南京地理と湖研究所の高俊峰研究員は「資金問題が汚染改善の要となっている」と述べた。

今年5月、長江中下流地区に50年に一度の大干ばつに見舞われ、五大淡水湖の水位は記録的に下がり、生態破壊が急激に進んだ。干ばつが最も深刻なとき、江西省内の鄱阳湖の面積は通常の10分の1にまで縮小した。

また湖だけなく、河川も深刻な汚染にさらされている。2011年6月、中国国家環境保全部の李幹傑副部長は中国の環境問題は「非常に深刻」と指摘し、長江、黄河、珠江など7つの水系は全部汚染されていると発言した。

 (翻訳編集・高遠)
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