【大紀元日本12月9日】広東省深セン市の日米中の合資会社の従業員千人あまりが、4日夜からストライキに突入。同社の新たな合併に伴い、一時退職金の支払いなどを要求している。7日の時点でも続いており、多勢の警察官やパトカーが工場周辺に配備されている。
ストライキが発生しているのは深セン市海量存儲設備有限公司。日立とIBMの合資会社「日立環球存儲科技公司」と、中国企業2社との合資会社である。3千人以上の従業員がおり、今回ストライキに参加したのは第一線の労働者1500人あまりだという。
20数台のパトカーが現場で待機しており、多数の警察官が警備にあたっている。工場の出入り口が封鎖されているのは、従業員が野外でデモをすることを防ぐためとみられる。ストライキ参加者たちは毎日工場内で座り込み抗議を行い、工場側からは食糧と水が配給されている。情報によると、7日午後から、工場側との話し合いが始まった。
インターネットの情報によれば、メディア記者の取材もシャットアウトされている。
ラジオ自由アジア(RFA)の記者が7日、同社に電話取材を入れたところ、公共事務部の女性担当者が、会社の声明文をメールで送ると約束したが、同日7時半に報道を出す時点で、声明文は送られていない。
調べによると、同社は今年3月7日に、西部数据公司への売却契約を締結し、法的手続きの完了が間近だ。中国語版ツイッター「微博」での書き込みによると、元会社での従業員の勤務年数に応じた退職金は、新会社がスタートすれば自然消滅してしまう。従業員たちは退職金の支給を含めて、福利厚生の改善や、残業代の計算方法の見直しなど23項目の要求を提示した。
最近深セン市では、大規模なストライキが相次ぎ発生している。10月24日には、大手時計メーカー、シチズンの深セン工場で2千人規模のストライキが発生。有給休暇の給与が支給されていないという抗議内容だった。先月20日には、深セン市沙井鎮精模電子工場で3千人あまりの従業員が長時間の残業と残業代不足を訴えて、ストライキを行った。その2日後、黛麗斯下着製造工場では管理層とのトラブルで400人の従業員がストライキを決行している。
中国各地でも、同様のストライキや賃金の未払いによる抗議活動が多発している。
深セン市在住の評論家・朱健国氏はRFAの取材に対して、次のように語った。「各地で多発する問題は、年末に向けてますます増えており、規模も拡大していくだろう。経済が急激に減速する一方、インフレが急ピッチで進んでいることが原因だ。労働者たちは、自分たちが抱える問題が合理的に解決されないため、暴力的で過激な集団行動に出てきている」