【大紀元日本12月1日】中国河南省濮陽市で11月29日、幼稚園の送迎バスとトラックが衝突し、園児ら10人が負傷した。送迎バスの定員は9人であるが、事故当時、16人が乗車していた。同月16日には、甘粛省で64人の園児を載せた定員9名の送迎バスがトラックと衝突し、21人が死亡したばかりだ。
甘粛省の事故が発生した後、全国ではスクールバスの惨状が相次いで発覚した
もともと牛を運ぶトラックだったが、今は50名の小学生の「スクールバス」(ネット写真)
。軽ワゴンに粗末なベンチを置き子どもを乗せる「スクールバス」や、軽トラックの荷台に子どもを立たせてぎゅうぎゅうに詰め込むだけのものが、ネットユーザーの投稿写真で明らかになった。一方、貴州省貴陽市にある5台のアメリカ式スクールバスは、すべて教員の送迎のみに使われていることも明らかになった。
これらの実態に世間の怒りが集中している最中、中国の外交部(省)は、マケドニアに23台のスクールバスを寄贈することを発表した。世間の怒りに油を注ぐ様相となり、「外交部ならぬ援交部だ」などと強い反発がネット上で噴出した。
ユーザー「無錫二泉」は、「マケドニアに無償でスクールバスを援助?中国にはどれほど古くて危険な校舎があるのか?どれほどの子どもたちが危ないスクールバスにギュウギュウ詰めされて登下校しているのか?自国の子どもたちを先に救ってください」と新浪網に書き込んだ。
「マケドニアの教育費はGDPの5%を占めているのに対して、中国は4%未満だ。2010年の一人当たりの平均収入は、マケドニアが4540ドルに対して、中国は3650ドル。マケドニアはヨーロッパでは最も貧困な国だが、世界第2位の経済大国と言われる中国の子どもたちより、マケドニアの子どもたちの方がずっと幸せだ」とユーザー覃彪喜氏は訴えた。
ウルムチの張さんはラジオ自由アジア(RFA)の取材にこう話した。「マケドニアの政府サイトにメッセージを入れた。ウルムチの冬は零下10~20度で、空気汚染も深刻。これまでに、ウルムチには一台のスクールバスもなかった。ウルムチは中国のほかの都市よりも、マケドニアよりもスクールバスが必要」
有毒粉ミルク事件で被害者家族代表を務める趙連海氏は、スクールバスの問題は政府が国民、特に子どもたちを守るどころか、彼らの権利をないがしろにしている現状を浮き彫りにしたと指摘。「自分たちの公用車には毎年何百億、何千億元を費やしているのに、子どもたちの問題にはこんなにも不作為だ」とRFAの取材に訴えた。
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