【大紀元日本11月23日】韓国釜山市警察当局はこのほど、臓器移植法違反の容疑で闇仲介業者を摘発し、メンバーの3人を逮捕した。容疑は闇ルートを介して、韓国の患者を中国で臓器移植を受けさせたこと。これまでの5年間、この闇業者は計94人以上をあっせんし、判明しただけでその内の4人は移植後に死亡したという。
釜山市警察庁国際犯罪捜査隊は21日本件を公表した。
容疑者らの自供によると、彼らはインターネットで複数の臓器移植あっせんのサイトを開設した。応募してきた中国での臓器移植を希望する患者に総額8千万~1.5億ウォンを徴収した。警察当局によると、その2割は仲介料であるという。
これらの韓国人患者は中国に入り、偽造された中国人の身元で中国の某病院に入院して臓器移植を受ける。
釜山市警察庁のある幹部は、「中国政府は2007年から外国人への臓器移植を禁止したため、中国人の偽造名義で入院し移植を受けるしかない」と説明した。
警察当局の調べによると、この闇業者は2006年から、計94人以上の韓国人患者をあっせんした。警察の調査では、術後の死亡が判明したのは4人。リーダー格で中国での「業務」を担当する金・容疑者(35)はまだ逮捕できていない。本案は引き続き捜査中だという。
韓国紙「朝鮮日報」の最近の関連報道は、中国の多くの病院は違法かつ不道徳な手段で移植用臓器を入手していると報じ、術後の拒否反応や、合併症の発症率は韓国国内より高いなどと伝えた。
一方、中国での臓器移植について、組織ぐるみの違法な臓器摘出の疑いが以前からもたれていた。
2006年の初め、中国東北部のある病院の医者の妻は米国で衝撃な告発を行った。その夫が勤める病院は監禁施設と結託して、監禁中の多くの法輪功学習者の臓器を強制摘出して殺害し、その臓器を移植用に高値で売っている、夫もその臓器摘出に参加したとの内容だった。その後、軍の病院の医者から大紀元時報に匿名の文書が寄せられ、軍の病院と刑務所が結託して、監禁中の大勢の法輪功学習者を対象とする臓器狩りを証言した。
後にカナダ外務省の元外交官デービット・キルガー氏と国際人権派弁護士デービット・マタス氏は共同調査に乗り出した。中国国内での現地調査のため、中国政府に入国ビザを要請したが拒否された。そして、外国の移植患者に扮した捜査員たちは疑惑の病院でおとり調査などして、52種類の証拠を収集できた。後に、調査団は法輪功学習者の臓器を強制摘出する組織ぐるみの犯罪は「紛れもない事実である」と結論付け、調査報告書も公表した。この報告書は18カ国語に翻訳されて、日本語版も作成されている。一方、中国政府はこの報告書の結論を完全に否定しているのだが、その52種類の証拠について、具体的な反論は何もない。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)は今回の韓国での闇仲介業者の逮捕について、その関連報道で、「中国人の偽造身元で入院し臓器移植を受ける。つまり、中国側の病院は外国人であるのを承知しながら移植を行った」と記し、このことは中国での臓器移植の疑惑を再び実証した、と評した。
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