新唐人テレビ、韓国の通信大手と契約 アジア向け放送を拡大

2011/10/27
更新: 2011/10/27

【大紀元日本10月27日】海外の中国語衛星放送局・新唐人テレビ(本部・ニューヨーク、以下・NTDTV)は、韓国の衛星「Koreasat-5号」を使って、アジア地域をカバーするKuバンドの衛星放送を19日に再開した。中国政府の放送妨害の策は再び、破綻した。

NTDTVは、中国政府の検閲を完全に排除し、当局が封鎖するニュースや情報等を、中国国内を中心に配信する中国語独立メディアである。国内の視聴者からは、「中国の上空に開いた自由の窓だ」と評されている。

今回再開したKuバンドの放送は直径50~90cmの小型衛星アンテナでも視聴が可能。信号が安定し受信が比較的容易だ。中国の主要都市である北京、天津、上海、東北部地域と沿海都市はもちろん、台湾、韓国、日本、フィリピンなどアジア各国でも視聴できる。

2008年6月、中国政府の政治的圧力により、フランスの通信大手ユーテルサット社は、NTDTVとの衛星使用契約を一方的破棄した。それにより中止された同局Kuバンドの衛星放送の再開は3年ぶり。同種の衛星放送は小型衛星アンテナで受信できるため、中国政府に取り締まられる恐れが低く、国内での視聴が拡大するとみられる。

NTDTVアジア太平洋支局(台湾)のCバンドの衛星放送は従来通りに継続される。

3年前に同衛星放送が中断された後、NTDTVには、数多くの視聴者の意見が寄せられた。「新唐人の放送がみれないのは、新鮮の空気が吸えないのと同じだ」「虚言で固められた中国では、真実を知り、真実を聞くに、新唐人は重要不可欠なルート」など、そのほとんどは放送継続を望む声だった。

そのような状況の中、同年9月から、NTDTVは「自由衛星計画(www.freedomsat.org)」を打ち出し、支持する個人や団体から募金等を募り、中国政府の政治的妨害を排除する衛星放送にかかる費用の寄付を受付け始めた。

今回の放送再開の背景には、韓国の大手通信会社とKoreasat-5号の使用契約を結んだことにある。Koreasat5は韓国の民・軍共用の通信衛星であり、2006年8月に打ち上げられ、韓国国防部と同国最大の通信事業者KT社が共同運用している。

NTDTVのスポークスマンは「今回のアジア地域の衛星放送が再開できたのは、NTDTVを支持するすべての視聴者と各界の方々の努力の結果」と述べ、感謝の意を表した。また、放送再開の初日から、中国国内の視聴者から感謝のメールやコメントが殺到したという。

中国時事評論家の蘇貞博士は、「中共に屈さない衛星会社もある」と述べ、「新唐人テレビの放送を介して、中国国内の民衆にとって最も重要なのは、中国の隠された真実を知ることだ。それにより社会が激しく堕落している根源を突き止めることができる。これは非常に有意義なことだ。その力はとても強大である」と分析した。

NTDTVのスポークスマンによると、同局は中国国内の視聴者の願いに応えるため、いまアジア向けの衛星放送は、ニュース報道を中心とする24時間放送であり、生放送、特集、評論などが含まれている。中国語が中心で、広東語と英語の番組もいくつかある。「引き続き視聴者の皆さんの関心と支持を期待している」という。

NTDTVは2001年12月、海外の中国人有志たちがニューヨークで設立した非営利目的の中国語衛星放送テレビ局。いまでは世界60以上の取材拠点を設けている。その目的は、中国政府の検閲を完全に排除して中国の真実の情報を発信し、中華の伝統文化を広げ、東西文化の交流を促すことにある。

(記者・李明希、翻訳編集・叶子)