「英国にいるはずの息子が北京に」 両親騙し6年で600万元浪費

2011/10/24
更新: 2011/10/24

【大紀元日本10月24日】英国オックスフォード大学に留学中の息子のために、中国江蘇省で零細工場を運営する両親が、6年間で延べ600万元(約7200万円)を息子に送金していた。しかし、息子はずっと北京にいた。嘘がばれて「自殺してやる」と息子に脅された両親は、警察を呼んだため、この家庭内騒動は広く知られるようになった。北京晨报が伝えた。

「息子が自殺すると言っている、助けてほしい」と中年女性から20日、北京の八大處消防署に通報があった。消防署員がこの女性の息子宅に到着すると、痩せ型で身長170センチほどの男性が、「構わずに、死なせてくれ」などと感情的に叫んでいた。すでに複数の警察官らが対応していた。

同紙の取材に応えた両親の話によると、江蘇省出身の31歳のこの男性は、仕事に就かないまま6年間北京に居住していた。息子は英オックスフォード大学に留学することを目指していたが、個人的な理由で達成できなかった。そこで、身を潜めるように北京で独りで生活していた。

この事実を知り今年9月に北京へ尋ねるまでのおよそ6年間、両親は息子は英国にいると堅く信じて疑わなかったという。両親は、学費として毎年100万元(約1200万円)を息子の銀行口座に振り込んでいた。さらに息子は40万元(約480万円)を高利貸から借金していることも明らかになった。

母親の話によると、息子には同じ江蘇省出身のガールフレンドがいたが、嘘発覚後、9月に両親が送金を止めたので、彼らは別れた。息子は女性との関係を保つために学費の3分の1を浪費した。残りの金額は留学斡旋機関に騙し取られたという。

小さな繊維工場を運営する両親にとって、高額な学費を捻出することは容易なことではない。今月20日、ガールフレンドにふられた息子はやけになって「自殺してやる」と両親に電話を入れた。両親は我慢ならず警察を呼んだ。消防士と警察官との2時間の説得の後、息子はようやく自殺を諦めた。

(翻訳編集・佐渡 道世)

関連特集: