【大紀元日本9月15日】北京市で長蛇の列ができるほどの肉まんの人気店で、使用禁止の香料を使っていることが判明した。地元紙「新京報」が調査・報道し、それにより、警察と税務当局などが取り締まりに乗り出した。
疑惑の店は有名店「蒸功夫」の看板を掲げていた。「毎回、この肉まんの美味しい香りに誘われて、無性に食べたくなる。癖になり次から次に口に入れてしまう」と、常連客は話す。だが、ここにきて、この魅力的な香りは各種の香料によって作られていたことが判明した。
新京報が報道した疑惑の店は4軒、それぞれ地下鉄の霍営駅付近や、朝陽区、昌平区にあり、いずれも「蒸功夫」の看板を掲げていた。店外はいつも顧客が長蛇の列を作っており、「あたり一面に肉まんの香りが漂っている。ほかの店の肉まんよりずっと香りがいい」と客はいう。
ある飲食店のオーナーによると、その独特の香りを引き出す奥の手は香料にある。中国で使用禁止となっている「Veltol」という銘柄の肉味の香料がもっともよく使われており、米国から逆輸入したものである。「30キロの肉にはビンの蓋半分の量があれば十分、5キロの水を加えて、機械で混ぜ合わせれば美味しい肉あんができあがる」。さらに、異なる肉には異なる香料があるという。豚肉には肉味香料、肉精油、牛肉には牛肉香料、焼肉香料などがある。香りを作り出すほか、品質の悪い肉の臭みも消せる。
ある食品添加剤の卸業者の証言では、山東省と天津市の多くの肉まん店はこのような香料を使っている。
同報道によると、これらの飲食店は店内で肉まんを包み、蒸すが、中に入れるあんは別の作業場で作る。そこの衛生状況は非常に悪く、トイレのすぐ隣に作業場があったりする。地面は油まみれで、すっぱく臭い匂いがあたりに充満している。そのような環境で上半身裸の店員があん作りに励んでいるという。
一方、報道を受けて、警察当局や税務機関などが合同取り締まりに乗り出したが、経営者らは皆すでに逃走し、店はもぬけの殻になっていた。そして、いずれも合法的な営業許可がないこともわかった。
「蒸功夫」を運営する会社の幹部は取材に対して、「北京市には『蒸功夫』の看板を掲げている店が200軒余りあるが、正真正銘の我々の直営店は26軒しかない。そのほかは皆違法経営だ」と主張し、会社も対策に困っているという。
専門家は、中国国内の食品添加剤の濫用は非常に深刻であり、腐りかけた肉の臭みを香料で隠す業者も少なくないと指摘した。
北京市のある衛生監督機関の関係者は次のように語った。「食品添加剤の検査には一定の困難がある。特にわが国の食品衛生法では、肉あんに香料の使用禁止を定めていない。以前、使用禁止ではなかった亜硝酸ナトリウムによる死亡事故が発生したことがあり、今は北京市ではそれは全面的に使用禁止となっている」
香料を過量に摂取すると、肝臓と神経系統に重い障害をもたらすとされている。
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