イケア、中国ニセ店舗は「商標侵害」 弁護団が調査

2011/08/05
更新: 2011/08/05

【大紀元日本8月5日】中国雲南省昆明市内にある総面積3千坪の4階建ビルの家具店、「十一家具」。外観から内部の装飾まで、スウェーデンの家具大手「イケア(IKEA)」とそっくりだ。スウェーデン日刊紙SVDによると、イケアはこの店舗について商標侵害にあたる可能性が高いとして、専属弁護団に調査を依頼しているという。

十一家具の写真を見たというイケア広報部長イルバ・マグヌスソンは2日、「イケアと多くの類似点が確認できる。どれほど多くの商品、類似性が商標侵害にあたるのか、私たちの弁護団が決める」と述べ、すでにイケアは弁護団に現地調査を依頼しており、十一家具の告訴を検討していることを明らかにした。

十一家具は、イケアのイメージカラーである青と黄色を多用し、各商品を実際の生活感ある部屋のように配置したモデルルームやポップの使い方など、ありとあらゆる物がイケアを模倣しているように見える。店舗内にレストランがあることまで真似ているが、料理はスウェーデン本家の名物ミートボールやサーモンの代わりに、中華風のメニューが並んでいる。

今回の「偽イケア」は、中国の新しい「偽物文化」の代表とされている。それは、模造品は現在、欧米諸国や日本のブランド、映画、アニメーションなどに留まらず、大手小売企業の店舗の雰囲気、感覚、サービス、つまりブランドコンセプトをすべて真似する手法のことを指す。

模倣店についてスウェーデン日刊紙SVDは、「中国プロダクションは創造改革性に欠けている。その代わりに買収するか模造している」と指摘した。

十一家具で顧客サービス係として働く張運平さん(22)は、ロイターの取材に対して、多くの顧客からイケアに似ていると言われると語った。しかし、「それは私にとって問題ではない。現時点で、顧客は満足している。商標などについては経営責任者が回答する」と、模倣店舗で働くことについて罪悪感はないようだ。

マグヌスソン広報部長は、「顧客がこの店舗に入店し、『これはイケア』だと思うならば、イケアのブランドイメージを傷つけていることになる」と話している。

イケアは中国では現在、上海などに9店舗ある。大都市が集中する東部海岸地区以外の都市も、欧米諸国のブランド需要があるとされているが、消費市場はまだ開拓されていない。しかし、販売権や著作権、肖像権など、他者がもつ権利を尊重し、侵害しないというモラルが低い中国では、認識の改善がない限り、模倣物は増え続けるだろう。

雲南省昆明では7月、米アップル社の直営店「アップルストア」に外観から内装までそっくりな「偽アップルストア」が3店舗も出現し、英語圏を中心に世界の多くのメディアは「中国偽物文化」について報道した。中国には偽ナイキ店、偽スターバックスコーヒーもあり、周辺に各ブランドの本物の店舗がある場合、ニセ店舗と売り上げ競争を強いられているという。

(翻訳編集・王知理)