「安全性に疑問、高すぎる運賃」 一等席は乗車率ゼロ=中国高速鉄道

2011/07/09
更新: 2011/07/09

【大紀元日本7月9日】7月初めの週末、上海地方紙・晨報の記者が1日に開通した中国高速鉄道乗車率について、実地調査を行った。その結果、G212(上海-天津)、G142(上海-北京)、G222(上海-青島)の三つの路線の乗客率は、二等席は50%前後で、一等席とビジネス席はほとんどゼロに等しく、これについて同紙記者は「椅子だけが運ばれている」状態、と空席ぶりを皮肉った。

また、G142沿線の蘇州北駅、南京南駅、蚌埠南駅の周辺で行った調査では、駅構内は極めて豪華に装われているが、駅の外は汚く、工事中の状態が放置されていたという。市内からも遠くてアクセスに不便なこれらの駅は、現在、周辺に関連施設はほとんどなく、計画中の施設建設プランが掲示されているのみであった。

高速鉄道の乗車率が低い最大の原因は、チケットが高すぎることにある。例えば、G142(上海-北京)のチケットは410元~1750元で、中国人の一般的な平均収入(1000~3000元)で計算すると、1往復で1カ月の収入が全てなくなることになる。

もう一つの理由は、安全性だ。日本とドイツの技術を取り入れた中国高速鉄道だが、「独自技術」により時速350キロを達成したとされる。しかし、短期間で完成した巨大な鉄道建設の工程は、「基礎工事に問題はないのか」などと、国内外の専門家から疑いの声が絶えず聞こえてくる。高速鉄道の建設に加わったエンジニアは、「私は中国の高速鉄道には絶対乗らない」とネットで告白した。

一方、高速鉄道とは対照的に、普通列車が込み合うという状況が起きている。高速鉄道の開通に伴って、5往復あった「夜発、朝着」の寝台列車がなくなり、T110/T109という1組の夜間普通列車しか残っていない。この列車は夜出発、朝到着なので、学生やサラリーマンに人気が高く、現在、乗車率が非常に高くなっているという。

込み合う夜間の普通電車(ネット写真)

(翻訳編集・王知理)