【大紀元日本7月7日】中国の江沢民・前国家主席の死をめぐるニュースが6日から7日にかけて、めまぐるしく錯綜した。香港のアジアテレビ(香港亜視、ATV)が6日夜6時(日本時間、同7時)のニュースの速報で、江沢民・前主席(84)が「6日午後に病死した」と報じた。しかし、夜9時半に予定されていた江沢民死去特別番組は一転して、「当局からの確認が取れなかった」として放送中止となった。
中国山東省のニュースサイトも6日、トップニュースに江沢民氏の死を報じ、ページ全体を白黒の哀悼ムードに仕立てたが、7日になってサイト自体が閉鎖となった。
一方、中国版ツイッターで流れる「目撃情報」として、江沢民氏が入院しているとされる北京の解放軍総病院(301病院)では、3日午後5時ごろ、周辺が一時通行禁止となり、警察車両を先頭に、20台の軍用車両が病院に入ったという。この「目撃情報」からネットユーザーらは、江氏はこの時から、危篤状態に陥ったのではないかと推測している。
情報が錯綜するなか、中国当局は5日、「そのような情報はない」と否定したが、6日夕方から流れた死亡説については沈黙していた。7日午後になってようやく、江氏の死について複数の権威筋が「全くのうわさだ」と否定した、と新華社通信が英文で報じた。
中国当局はネット封鎖も強化している。国内サイトには江沢民氏に関する情報はいっさい掲載されておらず、「江沢民」「心筋梗塞」「総書記」「301(病院)」「江」「ガマガエル(江のあだ名)」「3つの代表(江の理論)」などの言葉がミニブログで「敏感語」となってブロックされている。
そんな中でも、在任中に法輪功弾圧や、経済政策の失策により拡大された貧富の差などで多くの人が憎悪する江氏の死亡説について、ネットユーザーらは「心待ちにしている」と書き込んでいる。「え、まだ生きてるの?」「(死んだら)爆竹を鳴らして祝おう」といったコメントが海外の中国語サイトでは飛び交っている。
香港では6日に江氏の訃報がテレビで流れると、一部の市民が、中国政府の香港駐在事務所前に駆けつけ、シャンパンを開けて江氏の死を祝った。また、香港誌『開放』の蔡咏梅編集長は本紙の取材に、江氏の訃報を聞いて、「みんな声をあげて笑った」と明かす。「人の死は普通、みな同情するが、しかし江の死、独裁者の死は、みな喜んでいる」。蔡氏はさらに「たとえまだ生きているとしても、彼の政治生命はすでに終わっている」と話した。
在米中国人コラムニストの章天亮氏は、江沢民の死に鳴らす爆竹を中国全土に響かせることは、江に弾圧・迫害された多くの民衆に力を与えることにつながり、共産党政権への軽蔑と反抗を表すことになる、と述べた。
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