【大紀元日本5月19日】広東省恵州市でこのほど、一日15時間労働、月給2元(日本円26円)という過酷な条件で、労働者を奴隷のように働かせていたレンガ生産工場が摘発された。保護された17人の労働者の中には、未成年者3人と知的障害者1人が含まれているという。広州日報が12日に報じた。
労働者のほとんどは、オーナーが人身売買のブローカーから「買い入れ」たもので、買値は一人400元(日本円5200円)だという。その費用は労働者の給料から天引きされるため、毎月手にできるお金は2元足らずとなる。
毎日15~16時間働いており、仕事中はもちろん、トイレに行くときも監視され、体罰は日常茶飯事。
貴州省出身の王亜興さん(17)は誘拐され、ここに売られてきた一人だ。何度も脱走を試みたが、いずれも失敗。自殺未遂も何度か起こした。それでも解放されなかった。
毎月10人前後が脱走しているが、オーナーはすぐブローカーに「注文」するので、また新たな労働者がやってくるという。
レンガ工場近くのある病院は、かつて脱走して負傷した労働者を治療したことがある。医師は警察への通報を薦めたが、その脱走者は「オーナーは警察と通じているから、通報してもどうにもならない」と言ったという。事件を報道した南方テレビ局は、取材現場で110番(警察への通報番号、日本と同じ)をしたが、警察官は姿を現さなかった。
ほとんどの闇工場は、警察や裁判所と結託している。違法だと分かっていても、警察は知らん振りをする。「それらの労働者は地方出身の貧しい人で、現地社会と何のつながりもないから、政府は彼らの権益に全く無関心なのだ」と、広東省の状況をよく知る人物は言う。
同テレビ局記者の取材に対して現地政府は、摘発されたレンガ工場の存在は7年前から知っていたが、交通が不便なところであったため管理が行き届かなかったと弁明し、さらに「同様の闇工場はあと10数カ所あるはずだ」とも話している。
記者の通報で17人が解放されたが、まだ数十人が問題の工場にとどまっているという。中国では昨年12月にも、新疆ウイグル自治区で知的障害者を奴隷工として働かせたことが発覚しているとともに、10数年前から全国各地で奴隷工の存在が問題となっていた。
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